4月に就職した新社会人がやることは多い。会社では入社式の後、新人研修を受けたり、新生活に必要なものを買い揃えたりと、何かと忙しい毎日を送っていることだろう。そうした中、多くの新社会人が行なうことの一つとして、新しい銀行口座を開設することが挙げられる。今回は、マイナビニュースの会員で新社会人となった方々を対象に実施した銀行口座開設に関するアンケートを通じて、"イマドキ"の新社会人がどんな理由で銀行口座を選んでいるか探っていきたい。
初給料の使い道、新社会人の52.4%が「貯蓄」と回答
アンケートは4月4日~17日に実施、新社会人353人から有効回答を得た。
アンケートではまず、「初めての給料を何に使いますか?」と質問。アベノミクスで景気の回復傾向が見られる中でも、依然として節約志向・貯蓄志向が高いといわれている。今回のアンケートでも、初給料の使い道として「貯蓄」を挙げた新社会人が半数以上の52.4%にのぼり、「親へのプレゼント」と回答した人も多く43.9%を占めた。「貯蓄」と回答した人が半数以上を占めていることからも、最近の若者の堅実さがうかがえる。
「その他」と回答した人では、「新生活の準備」などのほか、「初任給までに借りていたお金の返済」や「クレジットカードの支払い」などがみられた。
4割弱の新社会人が新たに銀行口座開設、使用使途は「お財布代わりの口座」6.8%
次に、「新生活へ向けて新たに銀行口座を開設した、もしくはする予定ですか?」と質問。「はい」と回答した人が37.4%となり、約4割弱の新社会人が新たに銀行口座を開設することが分かった。
新たに銀行口座を開設、もしくは開設する予定の人に、その使用使途を聞いたところ、最も多かったのが「給与振込用」で82.6%、次いで「生活費やお小遣いを出し入れするお財布代わりの口座」が6.8%、「クレジットカードなどの引き落とし(振替)用」が4.5%、「貯蓄用」が4.5%と続いた。このことから、給与振込用の口座とは別に、用途に合わせたサブ口座を作る人もいることが分かった。
新たに開設する銀行は「地銀」「メガバンク」「ゆうちょ」「ネット銀行」の順に
「どの銀行の口座を開設、もしくは開設する予定ですか?」との質問では、「三菱東京UFJ銀行」(22.0%)、「みずほ銀行」(18.9%)、「三井住友銀行」(16.7%)の3メガバンクが多く、次いで「ゆうちょ銀行」(9.8%)が続いた。その他では、全国各地の「地方銀行」が22.7%、「ネット銀行(ソニー銀行や楽天銀行等のネット専業口座)」が8.3%だった。
次の質問で、これらの銀行を選んだ理由を尋ねた。これによると、「店舗が身近にある」が36.4%で最も多かったが、次に多かったのが「ATMの引出し、振込などの手数料がお得」という回答で17.4%。次に多かったのは、「利用可能なATMが身近な場所にある」(13.6%)だった。
また、「その他」と回答した人は23.5%だったが、そのほとんどが「会社が指定したから」となっていた。
「会社指定」はメガバンク・「店舗が身近」は地銀・「お得感」ではネット銀
ここで、口座開設理由と開設した銀行の関係を見ると、開設理由で「会社が指定したから」と回答した人のうち、80.0%が「三菱東京UFJ銀行」「みずほ銀行」「三井住友銀行」などのメガバンクを選んでいた。
また、「店舗が身近にある」と答えた人のうち、37.5%が「地方銀行」で口座を開設。特定地域に店舗が多数ある地銀本来の強みを発揮していることが分かった。
一方、「ATMの引出し、振込などの手数料がお得」「金利が魅力」など、お金の面でのお得感を理由に銀行口座を選んだ人のうち、41.7%が「ネット銀行」で口座を開設をしていた。初任給の使い道が「貯金」と答える人が多い中、「お得感」を基準として、賢く銀行を選ぶ人も多いようだ。
実際にネット銀行は「手数料」「金利」の面で"お得"なの?
では実際に、ネット銀行で銀行口座を開設した人は、手数料や金利の面で優遇されているのだろうか?
住信SBIネット銀行やソニー銀行では、『コンビニATMを手数料0円で利用できるリアルテク 2014』という記事でも紹介したように、セブン銀行ATMなら「完全手数料0円」になるなどのサービスを展開している。
では、金利の面ではどうだろうか。例えば3メガバンクで円普通預金をした場合の金利は年0.02%(5月1日現在)だが、ジャパンネット銀行の円普通預金の普通預金金利は、年0.03%~0.05%。金利は預金残高によって異なり、100万円未満は年0.03%、100万円以上1,000万円未満は年0.04%、1,000万円以上は年0.05%となっている。
住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」もお得だ。同預金は、SBI証券の口座との資金移動が自動的に行われる円預金で、SBI証券口座での運用も検討できるが、SBI証券で取引をしなくても年0.1%の金利が付くため、資金を置いておくだけでもお得感がある。
楽天銀行でも、同行と楽天証券の口座連動サービスの「マネーブリッジ」を利用すると、楽天銀行の円普通預金の金利が優遇される。こちらも「SBIハイブリッド預金」と同じく、楽天証券で取引をしなくても年0.1%の金利が付くのだ。
いかがだろうか。「店舗が身近にある」「会社指定」「ATMの引出し、振込などの手数料がお得」など新たに銀行口座を開設する理由はそれぞれあるが、ぜひそれぞれの方にあった口座を選んで、新しい生活を気持ちよくスタートさせていただければと願う次第である。