ニコニコ動画のほぼすべてをリアルに再現するイベント「ニコニコ超会議3」が4月26日、27日の2日間にわたり千葉県「幕張メッセ」で開催された。今回はそんな超会議の模様を「フード」に着目して紹介しよう。
ファミマの食べ放題は大人気
超会議は基本的にユーザー主体のイベントである。とはいえ、多くの企業がスポンサーとしてブースを出展しており、ニコ動イベントならではのユニークな企画を行っていた。中でも注目を浴びていた企画の1つが、ファミリーマートブースの「コンビニ食べ放題」企画だ。
これは「ニコニコ超会議3店」として出展しているファミリーマートのブース内で、陳列されている商品が食べ放題になるというもの。コンビニフード好きとしては夢のような企画なのである。
参加するためには全国のファミリーマートで実施していた超会議キャンペーンの対象商品を含む250円以上を購入した際に発行されるレシートが必要になる。これに250円を加えた500円が食べ放題企画への参加費だ。制限時間は10分間。食べ放題の対象となる商品は「ファミチキ」やおむすび、弁当、調味料、パン、菓子、スイーツ、飲料などで、おなじみの商品がずらり。残念ながら参加することはできなかったのだが、外からブースの様子を取材した。
ブース内はファミリーマートの店内が再現されており、棚にはサンドイッチや総菜、プリン、ロールケーキ、飲料などが陳列されているのが見える。少し離れたところに、ファミチキやフランクフルトなどのホットスナック棚、テーブルを挟んで逆側に菓子パン類。総菜などを温めるための電子レンジも2台用意されているようだ。もっとも、制限時間が10分しかないので、電子レンジを使うのはちょっと微妙かもしれないが……。
ルールとして「一度に取れる食べ物は3品まで(ドリンクと調味料は含まず)」というルールがあるため、何をどの順番で食べるかきちんと戦略をもって臨まないと一品食べているうちに時間切れということにもなりかねない。決して早食い、大食いを助長するイベントではないものの、やはり10分間の制限時間があるとどうしてもコストパフォーマンスは気になってしまう。
参加者がチョイスする食べ物には、それぞれの性格が出ているようで、見ていても面白い企画だった。
あの! メニューも限定で
さて、ファミリーマートブース以外での食のお楽しみといえば、超会議フードだろう。前回、前々回の超会議ではニコ動の「料理」カテゴリに投稿されている動画のフードを再現したメニューが多く、ネタに走ったものばかりでお世辞にもおいしいとは言えなかった今回はそんなユーザーの不満を解消すべくかなり気合が入ったメニューになっており、元シェフだという担当者の気合が十分に感じられるものだった。
なるほどと感心したのは、「ネタメニュー」と「通常メニュー」をきっちりと分けて販売していたこと。どういうことかというと、おいしく食べられる通常メニューは2日間いつでも購入できるのに対し、ニコ動らしいネタがつまったおもしろメニューは今回、時間を決めて限定販売としていたのだ。
例えば10時からは「帰ってきた! あの! オムライス! 」、12時からは「伝説のアルパカレー」、14時からは「ガチムチホイホイあんかけチャーハン」といった具合だ。これらはニコ動のネタを元にしたメニューだが、それだけに素材や形などにこだわって作る必要があり、数を出すことができない。そこで、クオリティーを維持するために割りきって数量限定メニューとしたのは英断だろう。前回と前々回はそこを無理して発売したため、全体的にクオリティーが落ちるというちょっと残念なことになってしまっていたわけだ。
フードコートの様子を見ていると、やはりこうした限定メニューは人気が高く、すぐに完売していたようだった。味はさておき、やはりこういうメニューも少しはないとニコ動らしさが感じられない。
一方で、しっかりとした味が楽しめる通常メニューも安定した売れ行きを見せていたようだ。今回筆者は、「ハンバーガー」(600円)、「石破カレー」(900円)、「堀江貴文の刑務所カレー」(1,300円)、「テレビちゃんうどん」(600円)、「テレビちゃんチーズ牛丼」(600円)、「台湾のふわふわかき氷」(600円)、「ポップコーン(キャラメル味)」(500円)を食べてみたが、どれも昨年よりもはるかにクオリティーが上がっており、十分に満足できるものになっていた。特に飛騨牛を使った堀江貴文の刑務所カレーは、堀江氏が刑務所の中で「食べたい」と夢想していたメニューを再現しただけあって抜群の味。さすがに1,300円という価格には一瞬財布を出す手が止まったが……。
また、「写真詐欺と言われないよう」作ったというハンバーガーは期待通りのクオリティーを保っており、こちらも満足いくものになっていた。一番人気がどれだったのかはわからないが、2日目の途中で確認したところ、テレビちゃんチーズ牛丼が早々に完売していたようだ。この結果が次回の超会議にいかされて、さらにメニューがブラッシュアップされることを期待したい。
フードコートではないが、超会議の定番となった「ZUNビール」(500円)も見逃せない。今回も初日の入場後すぐに購入してまずは一杯! ベアードブルーイングがこのために製造したという白ビールと黒ビールの2種類が用意されていて、どちらもさすがの味わいだった。
今回からの試みで会場のあちこちに設置されたポップコーンワゴンも、蓋を開けてみれば成功といっていいのではないだろうか。「ポップコーンバケット」(2,000円)は予想よりもずっとしっかりした作りになっていて、記念グッズとしてもぴったりだった。今回の売れ行き次第で、今後のイベントで販売されるかどうかが決まるという話だったのだが、これなら夏から始まる町会議ツアーでのポップコーンワゴンの設置も期待できそうだ。