東武鉄道はこのほど、2014年度の鉄道事業設備投資計画の概要を発表した。安全対策・環境対策・サービス向上の各分野に総額322億円を投じる内容で、とくに東武アーバンパークライン(東武野田線)の沿線価値向上を積極的に推進するとしている。
安全対策としては、東上線・越生線・東武アーバンパークラインに導入している運行管理システムを、今年度中に東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線にも導入する計画。東上線では、現行のATS(自動列車停止装置)に代え、より高性能なATC(自動列車制御装置)も導入する。これは前方を走行している列車の位置によって列車速度を制御する装置で、今年度は川越市~小川町間で使用を開始する。
駅ホームでの転落防止対策にも取り組み、2015年春の使用開始をめざして東武アーバンパークライン柏駅への可動式ホーム柵設置を進める。東上線でも可動式ホーム柵設置に向けて車両関係工事に着手するほか、和光市駅と川越駅の詳細設計を行う。
環境対策としては、通勤用車両60000系の新造と10000系のリニューアルなどを掲げた。東武アーバンパークラインでは、従来の8000系に比べて使用電力量を約40%削減できる新型車両60000系を今年3月までに8編成48両導入したが、今年度はさらに8編成48両を新製導入する。既存車両10000系も26両をリニューアル。冷房の冷媒を代替フロンに、車内照明をLEDにそれぞれ変更するなど、環境に配慮した仕様とする。
サービス向上の一環として、東武アーバンパークライン岩槻駅と伊勢崎線川俣駅では橋上駅舎化に着手。岩槻駅はすでに着工しており、川俣駅も今年度中には着工の予定だ。あわせて自治体による駅前広場整備を行い、駅施設のバリアフリー化と駅へのアクセス向上を図る。大宮公園、清水公園、新船橋、船橋、下今市、葛生、鉢形の各駅では、駅舎リニューアルを実施するとしている。