スウェーデンのボルボ・カーは、主力工場であるイェーテボリのトースランダ工場に、2万4,000平方メートルの新しい生産施設をオープンしたと発表した。これにより、トースランダ工場の年産能力は約20万台から約30万台へと引き上げられた。
この新しい車体工場は今年の後半に生産を開始し、欧州で来年第1四半期に発売予定の新型SUV「XC90」を生産する予定だ。「XC90」はボルボの新しいスケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)を採用する最初のモデルとなる。
この工場の新設は、ボルボが推し進める110億米ドル規模の投資をともなう大きな変革の一部と位置づけられている。投資額のおよそ半分は新しい車台構造と「Drive-E」(ドライブ・イー)エンジンシリーズの開発に費やされる。この工場では約300台のロボットを導入するが、オートメーションの比率はむしろ減らし、ロボットと有能な従業員が並行して働く形態を増やしていくという。
新工場はボルボのトースランダ工場50周年記念の日にオープンした。工場のあるイェーテボリ市は、ボルボが87年間にわたって本社を置いてきた場所であり、この場所で大規模な工場の増設を行ったことは、ボルボ車が今後もスウェーデン国内での生産にこだわることを意味している。ボルボは年間販売台数80万台という長期目標を設定しており、新工場はその達成に向けての大きな1歩となる。