富国生命保険(以下フコク生命)と日本アイ・ビー・エム(以下日本IBM)はこのたび、フコク生命が顧客からの膨大な申し出情報を蓄積したデータベースの中から、日本IBMの協力のもと、苦情を自動的に判別するシステムを導入した発表した。
同システムの導入により、手作業で行っていた業務がこれまでの10分の1に削減され、顧客からの苦情を漏れなく迅速に把握することができるようになり、さらなる顧客満足度向上を目指す基盤が構築されたという。
フコク生命は、職員一人ひとりが「もし自分がお客さまだったら」を常に想像しながらサービスを提供していくという「お客さま基点」という価値観を、経営や業務遂行にあたってのあらゆる発想や行動の原点とするよう努めているという。このたびフコク生命は、顧客からの膨大な申し出情報を蓄えているデータベースの中から、日本IBMの協力のもと、顧客の声に対して速やかに判別可能なお客さまの声分析システムを構築したという。
これまでフコク生命では、コールセンターなどを通じて寄せられる顧客からの意見・要望・不満などの申し出情報から、苦情にあたるものを担当者による手作業で抽出していた。新システムの導入により、年間約60万件にも及ぶ顧客とのやり取りを自動判別することができるようになったという。その結果、これまで担当者が手作業で行っていた判定業務量がこれまでの10分の1に削減され、また作業期間も1週間から1日に短縮。これにより、顧客の不満を引き起こしている原因を迅速に理解し、社内共有することが可能になるとしている。また、これまでに蓄積されたすべての申し出情報を分析することにより、顧客の要望事項や不満の声をより広い視点で改善検討につなげる分析基盤を構築できたとしている。
同システムには、IBMのテキストマイニング・ソフトウェア「IBMContent Analytics with Enterprise Search(以下ICA)」が適用された。ICAは、契約情報などの構造化データと、顧客との会話などの非構造化データ双方のクロス分析や時系列分析が可能だという。また、ビッグデータ分析と分析軸を自由に追加できる柔軟性に特長があり、業務に最適化した分析環境を実現したという。
今後フコク生命では、これらの分析結果を活用して、顧客の申し出の傾向をとらえ、アフター・サービスや事務手続きの改善を検討するなど、顧客満足度のさらなる向上を目指していくとしている。
IBMは、IBMの基礎研究所の知見や革新的な技術、業界知識に富んだコンサルティング、システム構築力、市場で競争力あるソフトウェア、ビッグデータへのリアルタイム対応に最適な処理能力の高いサーバーやストレージ製品など、IBMの総合力を活用し、顧客の成長を支援していくとしている。