日本能率協会はこのほど、新入社員が「会社や社会に対し、どのような意識や価値観を持っているか」の調査結果を公表した。
同調査は、同会が提供する新入社員向けセミナーの参加者を対象に、3月27日から4月8日にかけて調査票記入方式で実施。1,039人から回答を得た。また、上司・先輩にも調査を行い(回答数151人)、新入社員との意識の違いを調べた。
"独立・転職志向"か? "定年まで勤めるか"?
独立・転職志向について聞いたところ、1999年の調査以来、初めて「定年まで勤めたい」が50.7%と過半数に達した。経年変化をみると、「定年まで勤めたい」の回答が最も低く(18.7%)、「転職・独立」を考える新入社員が最も多かった(72.1%)のは2002年だった。以降「定年まで」という回答は増加傾向にあった。
働き方や会社・職場の好みを二者択一で聞いた。「競争をするよりも、ある年代まではみんなで平等に上がっていく年功主義の会社」(42.9%)に比べ、「実力のある個人が評価され、早い昇進や高い給与が実現できる徹底した実力・成果主義の会社」(55.1%)を好む新入社員が多い結果となった。
就職活動に臨む気持ちとしては、「気に入った会社や仕事に就けるかどうかよりも、就職することを最優先に考えた」(56.9%)が最も多かった。
入社の決め手は?
就職活動では、「自分が働きたい業種」(60.0%)を優先して会社を選んでいたが、今の会社への入社を選択した理由は、「(社員や風土)雰囲気がよい会社」(51.0%)が第1位となった。働き方や会社・職場の好みを二者択一で聞いたところ、「個人の裁量に任せられる職場」(15.4%)よりも「チームワークを重視する職場」(83.4%)を好む人が多かった。
理想の上司像に新入社員と先輩にギャップ
新入社員が考える理想の上司・先輩は、1位「仕事について丁寧な指導をする」(57.7%)、2位「言動が一致している」(37.6%)となった。一方、上司・先輩が考える"新入社員にとって理想だと思う上司"は、1位「言動が一致している」(43.0%)、2位「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない」(41.1%)、となった。また、「丁寧な指導」は4位(35.8%)にとどまった。
上司との人間関係を構築する方法として有効だと思うことは「飲み会への参加」(新入社員93.7%/上司・先輩79.5%)を双方とも第1位に挙げた。