歓迎会やら新規取引先へのあいさつなどで、やたらと飲み会が多いこの時期。特に若手の人は誘いがなかなか断れず、「今週はずっと飲み会続き……」という過酷な状態になっている人も少なくないのではないだろうか。そうはいっても「もう1軒行くか」と上司に誘われると、断りにくいものだろう。そんな過酷な「連チャン飲み」を二日酔いもせず、身体も肝臓も疲れさせず、乗り切るためのコツを紹介する。
連日の飲み会が招く頭痛や不快感、疲労感
お酒による二日酔いは、肝臓でアルコールを分解するときに発生する「アセトアルデヒド」という有害物質が、代謝しきれずに身体の中に残ってしまうことが原因で起こる。さらにアルコールを代謝するときに、身体はたくさんの水分と糖を消費する。そのため、脱水状態と低血糖が起きて、頭痛やら不快感、疲労感などが残ってしまうのだ。
二日酔いをしない、もしくは軽くするように飲むには、アセトアルデヒドの酢酸への代謝を促進させ、脱水や低血糖を起こさせないことが肝心となる。だが、連チャン飲みは肝臓に大きな負担がかかるため、身体へのダメージは残念ながら大きくなってしまうのだ。
無理をすればさまざまな部位に悪影響
年齢を重ねると「以前よりも酔いやすくなった(悪酔いしやすくなった)」と思う人が増える。それは、加齢による肝臓での分解機能の低下が起きているから。連チャン飲みなどの過酷な飲み方を頻繁にしていると、肝臓は常に疲労状態になる。そのため、分解機能(解毒機能)の低下が早まるとも考えられる。また、飲みすぎは肝臓だけでなく、さまざまな部分の病気を誘発するので、自分の体調に合った飲み方を見つけることが大切だ。
「ちょっとしたケア」の積み重ねで、肝臓の負担が低減
本来は連チャン飲みはお薦めできないが、「どうしても」という場合は次の作戦で乗り切りきるようにしよう。
対策1 ストレスがたまった状態で飲まない
飲みながらイライラするのは禁物。「今日も飲んでしまった」と飲んだことが罪悪感になって落ち込むと、ストレスはたまっていく。ストレスがたまっていくと肝臓への血流が低下し、肝臓の細胞への負担が増えるので、「どうせ飲むなら楽しく」という姿勢で臨むようにしよう。
対策2 飲み会の前日と翌日は睡眠をたっぷりとる
「連チャン飲みで徹夜」というのは最悪。夜に寝ている間(安静にしている期間)に肝臓は修復するため、飲み会が続くときこそ、睡眠時間だけは必ずしっかり確保するようにしよう。
対策3 ビタミン、タンパク質をしっかり補う
ウコンやシジミよりも、まずは肝臓のもととなるタンパク質をしっかり摂(と)るよう心がける。また、タンパク質の消化吸収を助けるビタミンBやC、E、Aも補うことが大事だ。ただし飲み会でのタンパク質というと、からあげなどに代表されるような、油で揚げてありかつ高カロリーな物で摂(と)ってしまいがち。たまにならばいいが、これが続くと肝臓に負担をかけてしまうので要注意。高カロリーにならないメニューで、タンパク質が豊富な物を選んで食べるようにしよう。
対策4 「脱水+低血糖」防止のため、寝る前にスタミナドリンク
お酒を飲むと脱水や低血糖が起こりやすくなるが、特に危険なのは寝ている間だ。そこで、飲んだ日は就寝前にコップ1杯の水と、糖質やビタミンB1などが入っているスタミナドリンクを1本飲んでから寝るといいだろう。脳梗塞や心臓病予防にもつながる。
対策5 禁煙で飲むのが最低限のルール
お酒を飲むとたばこが吸いたくなるという人がいるが、この組み合わせは最悪。たばこは血流を悪くするので、肝臓の解毒システムを低下させる。そのため、特に連チャン飲みのときには肝臓にこれ以上負担をかけないためにも、「お酒を飲むならたばこは吸わない」を最低限のルールとして守ろう。