JR九州の豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」の開発秘話を収めた書籍『「ななつ星」物語 ~めぐり逢う旅と「豪華列車」誕生の秘話』が発売される。豪華さの裏に隠された、列車誕生に至るまでの苦難にノンフィクションライターの一志治夫氏が迫るという。

『「ななつ星」物語~めぐり逢う旅と「豪華列車」誕生の秘話』表紙イメージ

「ななつ星 in 九州」は、列車の旅と観光を組み合わせた国内初の「クルーズトレイン」として、2013年10月15日にデビュー。7両編成で定員わずか30名、14室すべてがスイートというぜいたくな列車だ。現在は九州5県を周遊する3泊4日のコースと、九州北部を周遊する1泊2日のコースで運行され、1人あたり約18~70万円という料金にもかかわらず、予約受付のたびに申込みが殺到している。

この列車の製造に投じられた金額は約30億円。「手間こそが感動」と妥協を許さないJR九州の代表取締役社長、唐池恒二氏と、デザイナーの水戸岡鋭治氏の斬新なアイデアにより、設計と仕様が何度も変わり、そのたびに現場は大混乱に陥ったのだという。

同書には、車両製造の技術者、内装の職人、サービスクルー、宿泊と食を任された沿線の人々が、「犠牲をともなわないものに感動はない」と言いきる水戸岡氏の情熱に挑み、世界に誇る豪華列車を作り上げた熱い魂の物語が記されている。豪華な車内と食事、沿線の絶景を収めた16ページに渡る口絵付き。小学館から刊行され、価格は1,400円(税別)。