映画『ぼくたちの家族』のプレミア試写会が22日、都内で行われ、キャストの妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽衣と石井裕也監督が出席した。

左から、石井裕也監督、長塚京三、原田美枝子、妻夫木聡、池松壮亮、黒川芽衣、原作者の早見和真

早見和真の同名小説を原作にした本作は、『舟を編む』(2013年)で各映画賞を総ナメにした石井監督が描く家族の物語。若菜家の母・玲子(原田)は、脳腫瘍が見つかり、余命1週間と宣告される。記憶が曖昧になり家族への不満や本音を暴露する玲子を前に、父・克明(長塚)、長男・浩介(妻夫木)、次男・俊平(池松)は、団結せざるを得なくなる――というストーリーで、映画は5月24日から全国公開。

舞台あいさつで、「すごい映画を作った自負はある」と胸を張った石井監督は、「20代最後に、家族や自分に対して改めて向き合わなきゃと感じた。みんなで熱量を込めて、真正面からぶつかった」と想いを吐露。そんな作品の主演を務めた妻夫木は、石井監督から「昔から大好きで、悩んでる物憂げな表情が格好良い」と称賛されると、「僕、悩んでるんですかね?30代は悩みながら進んでいこうと思ってるんで良かった」と照れ笑いしつつ、「幸せなことって極限に追い込まれないと気付かないもの。自分の家族に何かしたくなるきっかけになったらうれしい」とアピールした。

一方、妻夫木と初共演の池松は、「10年前くらいに『妻夫木さんに似てる』と結構言われていたので、うれしかった。悩んでる男は格好良いということを教えてもらった」と尊敬の眼差しで、難しい役どころを明るく演じきった原田は、「池松くんをからかってベタベタするシーンで、『もう、イヤだ!』って本当に嫌がってて。本当の息子のようで可愛かった」と撮影を振り返ってにっこり。また、壊れかけた若菜家に対し、黒川は「世の中の奥さんを代表してる感じ」だという妻夫木の妻・深雪を演じているが、妻夫木は「ウチの鬼嫁が本当にビシビシ言ってきて……。結婚は当分いいかなと思った」と本音を漏らしていた。