森美術館では5月31日~8月31日、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」を開催する。
境界を超える子供の姿を通して、新たな世界への可能性を探る
19世紀後半のニューヨークで貧しい移民の暮らしを取材した写真家ジェイコブ・A・リースは、英語が不自由な両親の橋渡しとしてさまざまな用務をこなす移民の子供たちを「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者)」と呼んだ。
同展は、異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、さまざまな境界を自由に行き来する子供の性質に注目し、子供の視点を通して世界を展望しようとする試みとなる。
世界各国の優れたアーティスト26組の作品に表れる子供のイメージを通して、社会で起こっているさまざまな事象に注目。政治、文化、家族など子供を取り巻く環境と、彼らが直面する諸問題に目を向ける。さらに、遊びや夢、記憶などをキーワードに、大人の常識や伝統の枠組みにとらわれない子供の創造性と、その多様な感覚に迫るという。
会場では、アメリカのフォトジャーナリズムの草分けであるジェイコブ・A・リース、ルイス・W・ハインらの19世紀末から20世紀初頭の写真や、第二次世界大戦中にカリフォルニア州の日系人収容所の様子を写した宮武東洋の写真、戦後、澤田美喜によって建てられた混血孤児を養育する施設、エリザベス・サンダース・ホームの子供たちを撮った影山光洋の写真など、貴重な歴史資料を展示する。
また、国際的に活躍するアーティストたちの日本初公開作品が多数登場。照屋勇賢の新作インスタレーションや、山本高之の「地獄」のワークショップ作品など、同展のための新作も展示する。
開催日時は、5月31日~8月31日。会場は、六本木ヒルズ森タワー53階 森美術館(東京都港区六本木6-10-1)。