アップルが、4月22日のアースデイにあわせ、一部のApple Store実店舗でAppleロゴの葉の部分をグリーンに変更するなど、環境活動にコミットする姿勢を示した。iPodに加え、本日よりiPad、Macもリサイクル対象製品となる。
アップルは、20年以上に亘って、同社とその製品が環境に与える影響を最小限にするための取り組みを続けている。すべての自社施設への給電を、太陽光、風力、水力、地熱といった再生可能資源からのエネルギーのみでまかなうというスタンスを表明しており、2013年には、クパティーノのキャンパスを始めデータセンターなどで再生可能の利用率100%を達成している。今後は全世界でのオフィスでも100%を目指していく。
22日、Apple Store 銀座では、Appleロゴの葉の部分をグリーンに変更し、ストアスタッフのTシャツとカードもグリーンに変更された。これは、日本国内においてはほかに、Apple Store 渋谷、Apple Store 心斎橋でも実施された(全世界で90カ所の選ばれた店舗のみで実施)が、外見でなく、従来iPodのみだった直営店に持ち込んでのリサイクルを、iPad、Macも対象とするなど、具体的な環境活動への取り組みも見せた。
Apple Insiderは、今年の2月に開催された米Appleの株主総会における、CEOのTim Cook氏の「我々は、我々が出会った世界より、良い世界を残す」ことを目的としているという発言をレポートしている。さらにこの場で、Cook氏は、経済的な利益を動機とするだけでなく、さまざまなことに取り組んでいると述べている。さまざまなことのひとつが環境問題への配慮とその改善に向けての活動であることは言うまでもないが、さらに「この件に疑義を抱くなら、Appleの株を手放すべきである」と続けている。非常に強い口調でだ。
アップルは「Appleと環境」という同社のWebページもアップデートし、トップページには前述の「出会った時よりも良い世界を、未来へ渡すために。」というCook氏の言葉が踊り、環境への責任に対するメッセージが綴られている。さらに「Better」と題されたビデオもアップロードされている。この映像のナレーションも、Cook氏によるものである。
現在、アップルでは、製品のパッケージに使われる紙、iTunes Card、iPhotoプリントサービスの製品にも、リサイクルされた、またはリサイクルできる素材が含まれている。また、人体や環境に害を及ぼす可能性がある有害物質を削減して排除するために、よりクリーンで、より安全な素材を使って製品の設計にあたっているという。
企業の活動において利潤の追求は至極まっとうなことではあるが、アップルは同Webページで「愛用していたApple製品を友だちや家族に譲ることも、資源の節約につながります。どれだけ売れたかではなく、どれだけ使われたか、という視点がその製品の優秀さを語ることもあるのです。」と、売り上げ至上主義に陥ることなく、別な価値観を尊重し、あくまでユーザー体験を最良にすることに重点を置いていくことを表明している。単にポーズとして環境活動にコミットするのでなく、実践することがひいては、顧客に対してメリットを齎していくはず――これがアップルの環境問題に対する姿勢なのである。