普段ならば「今日飲み会あるけど来る? 」と誘われても、「……だが断る」とクールにキメていた筆者でも、お誘いを断れないだろうバーがある。
そう、なぜなら"スタンド使い同士は引かれ合う運命"であることと同様に、ジョジョラーも引かれ合う運命だからだ!! やれやれだぜ。
なんていうか要するに、普段ノリが悪いと周囲から思われがちな筆者でさえ、東京は新宿の歌舞伎町にあるジョジョバーには行きたいのだ!! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ!!!!
オープン時間間もないにも関わらずカウンターは先客で埋まっていた。棚には世界中のカクテル原液がズラリ。遠方から足を運ぶ人も多く、この日だけでも富山県と山形県から遊びに来ているお客さんを確認。ハジメ(ディアボロ)店長の優しい接客も落ち着く |
歌舞伎町に夜な夜な集まる「ジョジョラー」達ィィィ!!
燃えつきるほどヒートな状態で入店すると、「どジャアァぁぁぁ~~~ン!! 」というかけ声で出迎えてくれた「ジョジョの奇妙なBAR・スタープラチナ~星の白金~」(以下スタープラチナ)店長のハジメさん(♀)。斑点模様入りのピンクのロングヘア「ディアボロ」のコスプレが似合いまくっているゥゥゥ!! しかもそのセリフ(かけ声)は第7部の「ファニー・ヴァレンタイン」の口癖ですなッッッッ!!??
「当店では『いらっしゃいませ』はあまり使わないんです。お客様には店に入った瞬間から『ジョジョラー』として"奇妙な冒険"を楽しんでいただきたいので、キャラのセリフや擬音を接客に引用させてもらっています。ちなみにお帰りの際は『ディ・モールトグラッツェ!! アリーヴェデルチ!!(本当にありがとう、さようなら)』です」。
「アリーヴェデルチ!! 」は第5部のブチャラティの名セリフ。一晩で仲良くなったお客さん同士でも遠慮せずに明るく見送れるという。スタープラチナではこういった"合言葉"が多数あり、例えば誰かがタバコを吸う仕草を見せたとき「リサリサ先生、タバコ逆さだぜ」(第2部より)などファンなら当然知っているセリフが飛び交うので、お客さん同士のコミュニケーションが一気に発展するそうだ。そこにシビれる! あこがれるゥ!
スタンド「ドリンク・ザット・ボトル・ダウン」!!
スタープラチナの一番の"ウリ"といっても過言ではないのが、キャラ&擬音をイメージしたオリジナルカクテルだ。ホテルラウンジで3年間シェーカーを振り続けていたハジメ店長の腕にかかれば「ゴゴゴゴゴッ×オラオラオラッ」というスペシャルカクテルも再現可能だという。そんなカクテルを自在に生み出せる能力(スタンド)こそが「ドリンク・ザット・ボトル・ダウン」なのだッッッ!!!! やはり「矢」に打ち抜かれたのか尋ねると「答えれば命を狙われるのでノーコメント」と釘を刺されたが店のルーツは教えてくれた。
「当店は、オーナーが第4部に出てきた『娼婦風スパゲティ』という料理を"実際に食べられるように"と、2010年神戸市中央区に1号店『ヘブンズ・ドアー』をオープンさせたのが始まりです。当店『スタープラチナ』のオープンは2013年4月1日ですね。今ではありがたいことに平日でも予約を入れてもらわないと入店が難しい状況でして、定期的に行うイベント(約3日間)開催中は140名以上に来店していただきました」。
人気カクテル「キング・クリムゾン」(700円)。メニュー表には「破壊力」(Aに近い程アルコール度数が高い)、「スピード」(Aに近いほどキレがあり辛口)、「成長性」(Aに近いほどグラスが小さい)という、ジョジョラーにはお馴染みの基準が記載されている |
「娼婦風スパゲッティ」(850円)。原作からリアル世界に飛び出した逸品、フードでは一番人気 |
「肉の芽」(350円)。マスタードで書かれたDIOのセリフ「WRYYY(ウリィィィー)」がファンには嬉しい。ソーセージを工夫して調理されている |
席数はMAXで約20席なので、イベント時は2部制で行ったという。客層は男性の若者が中心かと思いきや、最近は6:4でむしろ女性の方が多く、中には65歳の常連さんもいるそうだ。
「ジョジョという共通のコミュニケーションツールが存在しているので、年齢性別はあまり関係ない感じです。ご年配の方も交える夜はジョジョに限らず『少年ジャンプ』の創刊当時の話などでも盛り上がりますね。ちょっとした座談会状態です(笑)。こんな簡単に世代の壁を越えられるバーって他にはちょっとないと思いますよ」(ハジメ店長)。
こんな楽しいバーでは人気キャラ「ディオ」でなくともこう叫ぶはずだ。
「酒! 飲まずにはいられないッ」
さて、明日にでもスタープラチナに行く「覚悟」はできただろうか。オレはできている。ジョジョラーならばきっと、今まで食ったパンの枚数を覚えられないほど、足繁く通うことになりそうだ。"金欠だから通わない"なんて決意は、無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!
グレートだぜ!
(文・A4studio 東賢志)