俳優の浅野忠信と女優の二階堂ふみが17日、6月14日に公開される主演映画『私の男』(熊切和嘉監督)の記者会見を大阪市内で行った。
2008年に直木賞を受賞した桜庭一樹のベストセラー小説を映画化。災害で両親を失い、10歳で孤児となった花(二階堂)と、花を引き取り、娘として育てる遠縁の男・淳悟(浅野)の禁断の愛を描く。親子がひっそりと暮らす北国の田舎町でのエピソードは、北海道・紋別などで撮影。二階堂は、流氷に覆われた真冬のオホーツク海に潜るシーンや、浅野との濃厚なラブシーンなどで、体当たりの熱演を見せている。
父親である男に複雑な感情を抱く難しい役を演じた二階堂は「花を演じるうえで、浅野さんが演じる淳悟という存在があったからこそ出せた感情や表情があった。普通とはまた違った"愛の形"として2人のシーンを見ていただけるとうれしい」と十分な手応えを感じているよう。また、もともと原作のファンだったそうで「桜庭先生の小説の薄暗いちょっとじめっとした感覚が好き」と魅力を語り、「(映画では)原作の雰囲気は壊さずに、また違った表現がしたいと思っていました。出来上がった作品の耽美的な世界観は好きです」と映画版にも大満足の様子。「自分にとって運命の作品であり、勝負の作品。ぜひ多くの方に見ていただきたい」と自信作をアピールしていた。
そんな二階堂を、浅野は「花はかなり難しい役だったと思いますが、こういう役を引き寄せて、しかもきちんと演じて、これだけ強烈な存在感を出すというのは、なかなかできることじゃない。彼女にしかない魅力がそうさせてると思う」と絶賛。また、浅野自身も「淳悟役は挑戦でした」と語り、「感情的にかなりしんどい役。20代のころはこういうクセのある男を演じることが多かった。30代でいろんな役をやってみて、いろいろなことが明確になってきた中で、昔やっていたような役をもう一度追及してみたいと思っていた。40歳になった今ならできる、という意気込みをぶつけることができた」と全力で役に取り組んだことを明かしていた。