小さな床のキズや壁紙のはがれ、直したくてもお金や時間がかかるからと諦めてしまいがちだが、初心者にもできる補修があるという。住居購入者を対象に「お手入れ講座」を定期的に実施しているアキュラホームで、自分でできる住居のお手入れを教えてもらった。
アフターサポートの一つ
同社は、家を建てた人へのアフターサポートとして「家守り活動」を実施している。「お手入れ講座」はその一つで、展示場などを会場にして土日に開催。講座参加者に配布する「お手入れセット」の中身を活用した補修法とともに、参加者によるアンケートからの要望なども踏まえた内容で実施している。
講座では季節に応じたテーマも取り扱っており、夏であればグリーンカーテンや風の流れについての説明、春先であれば梅雨に向けた結露・カビ対策についての説明も実施している。取材では、お手入れ講座の代表的な内容を同社工務チームの馬場潤氏に教えてもらった。
壁紙をでんぷん系のりで貼る
最初に教わったのは、壁紙の補修方法。子供が触るなどの原因で、壁紙のハジが数センチはがれた場合には、でんぷん系の「のり」を使って貼り付けることができる。はがれた場所に指でのりを塗り、水でぬらしたスポンジで上から押さえれば完了だ。ちょっとしたはがれなら、これで対応できる。
また、壁紙の隙間が見えているときには、固形のベビーパウダーを使うと隙間を目立たなくさせることができる。固形だと溝に入りやすいのだという。本当にわずかな隙間にではあるが、有効な手段とのこと。
クレヨン風のキットが活躍
続いては床のキズ補修。小さなキズについては、市販のクレヨン風修正キットで目立たなくすることができる。
市販の修正キットでは色が合わないという場合には、色を混ぜる方法もある。キットの使用法に合わせてクレヨン風のものを削って配合。スプーンに乗せてライターで熱し、液体化させて床のキズに流し込むのだ。補修の一番の"キモ"は「平らにすること」だそうで、流し込んだ部分をへらなどで削って段差をなくすと、元の床になじみやすくなる。
もちろん、補修専門業者のようにはならないが、ふだんからワックスなどでメンテナンスをしていれば、それほど目立たせずにいられるとのこと。
地震対策のポイント
最後に、地震対策としての家具固定方法も教えてもらった。自分でできる地震対策の一つは、地震が起きたときに人の上に倒れてくる家具や避難経路のドアを塞ぎそうな家具を固定することだ。
固定の中でも手軽なのは、壁への固定。市販の金物を使うのだが、やみくもにビスをつけるのではなく、壁の下地(柱)に固定することが重要となる。下地を見つけやすくする道具も市販されているため、使用するのも手段の一つだろう。
家具に穴を開けたくないという場合には、家具を上から押さえるような位置で壁に板を取り付けて動きにくくするという方法もある。そのほかにも対策があり、講座では細かいやり方などを解説しているとのこと。
過ごしやすくなるこの季節、ゴールデンウィークなどの休みを使って住まいの補修をするのも良いかもしれない。「自分で直せた」という達成感も味わえることに加え、きれいな部屋で暮らせれば、毎日の生活に心のゆとりが持てそうだ。