Intel 副社長 兼 IoTソリューション事業本部長のダグ・デイビス氏

インテルは17日、都内で記者説明会を開催。米Intelから副社長 兼 IoTソリューション事業本部長のダグ・デイビス氏が来日氏、IoT分野における同社の戦略と取り組みについて紹介した。

IoT(Internet of Things)は"モノのインターネット"とも訳される言葉で、これまでインターネットに接続されていなかった自動車や産業機器といた"モノ"を、インターネットに接続し、そこから得られるデータや情報を活用するというもの。

デイビス氏によると、IntelではIoTを「デバイスがインターネットに接続し、高速化するコンピュータ機器を統合し、データ解析によって意味のある情報を抽出、ビジネスに活用する」と定義しているという。

IntelにおけるIoTの定義

このところのIntelは、IoTの分野に対して積極的に取り組む姿勢を見せている。例えば、超小型SoCの"Quark"やSDカードサイズのコンピュータである"Edison"もIoT市場に向けた取り組みの1つだ。

デイビス氏は、ネットワークに接続された機器が2015年には150億、2020年には500億と急激に増加するという予測を紹介。この数字の中にはPCやタブレット、スマートフォンといったデバイスも含まれているが、成長の中心となるのはIoT関連の機器だという。

最近のインテルがたびたび利用するスライド。この500億の中にはPCやタブレット、スマートフォンといったすでにネットワーク接続が当たり前という機器も含んでいる

「PCやタブレットのようなパーソナルなデバイスはもちろんだが、自動車や自動販売機といった非パーソナルな機器など、もっといろんな機器がネットワークにつながる」とデイビス氏。次の成長分野に向けて注力することで市場を取り込みたい考えだ。

Intelでは幅広い製品群を生かして、デバイスに組み込むプロセッサはもちろんのこと、デバイスを制御するゲートウェイや、データを処理するデーターセンター向けソリューションなど、IoTを構成するさまざまなレイヤーに対してソリューションを提供するとしている。

上流から下流までカバーできる製品群を持っている。それがIntelの強みでもある

プロセッサではデータセンター向けのXeonからPCやタブレットに向けたCoreやAtom、IoTやウェアラブルに向けたQuarkと幅広くそろえる

買収した「Mashery」と「Aepona」によってクラウドに向けたサービスも強化する

IoTのいたるところにIntel製品がある。それがIntelの目指す未来だ

IoTによる重点分野はさまざまだが、Intelでは特に「製造分野」「自動車分野」「小売業分野」に注力する。今回は「自動車分野」に関する取り組みを紹介。

IoTの重点分野

車載向け製品を研究・開発するイノベーションセンターの設立に加え、ネットワークに接続可能なコネクテッドカー基金として1億円を投資する。すでに「BMW i3」でIntel製チップが採用されているが、こうした動きが加速するものとみられる。

自動車分野に向けた取り組み

また、次世代の自動車開発に向けて、さまざまなセンサからの情報を統合して処理すすためのプロセッサや、次世代ヒューマンインタフェース技術「RealSense」を生かしたアプリケーション、セキュリティ技術を提供していく考えを示した。

次世代の高性能自動車に向けても支援を行っていくという