アイ・アム&インターワークスは、同社が運営する求人情報サイトを利用する人材会社を対象に、厚生労働省労働政策審議会が1月29日に発表した「労働者派遣制度の改正について(報告書/案)」の内容についてアンケートを実施した。

今回の労働者派遣法改正案で一番影響を受ける点を教えてください

65%が派遣期間の上限変更に影響を受けると回答

同調査は2月20日~2月26日にかけて、同社の求人情報サイトを利用している人材会社の担当者110名を対象に実施した。

まず、今回の労働者派遣法改正案で一番影響を受ける点について尋ねたところ、64.5%が「派遣期間の上限が『1業務あたり3年』から『1人あたり3年』に変更されること」と回答した。次いで「専門26業務と自由化業務の区分がなくなること」(13.6%)、「雇用期間終了する派遣社員に次の就業先を紹介すること」(9.1%)となっている。

専門26業務と自由化業務の区分がなくなることについて賛成か反対か聞くと、「賛成」は79.1%、「反対」は20.9%だった。その理由として 「人を変えれば継続的に派遣社員を派遣できる点が安定した売り上げにつながる可能性がある」「業務の区分を考慮せずに派遣できるので、分かりやすい」などが挙げられた。

派遣期間の上限が「1人あたり3年」に変更されることについては、89.1%が「賛成」と回答した。「3年の派遣期間終了後の義務化」については、「賛成」が71.8%、「反対」が28.2%となっている。

すべての派遣会社に国の許可を義務付けることについては、「悪質な人材会社が淘汰されて良い」などの理由で「賛成」が89.1%、「反対」が10.9%だった。賛成が多くを占めたが、中には「中小の人材会社には資金的に厳しく、廃業が増えると思う」と懸念する声も寄せられている。

人材会社にキャリア形成支援の取り組みが義務付けられることについては、「賛成」は66.4%、「反対」は33.6%だった。「教育制度の内容や充実度によって他社との差別化ができるので良い」(56.6%)と感じている人材会社が多い中「派遣社員への企業紹介や派遣で大変で、教育まで手が回らない」(31.9%)という意見もあった。

人材会社が派遣社員へのキャリア形成支援の取り組みを実施することについてどう思いますか?

企業規模により「取り扱う求人の雇用形態」が変わる

労働者派遣法改正後も現在と同じように派遣社員の求人をメインに取り扱っていく予定か尋ねたところ、中小企業(※)は65.1%、大手企業(※)は82.6%が「派遣社員の求人をメインに取り扱う」と回答した。

「正社員、もしくは契約社員の紹介案件を増やしていく予定である」は中小企業11.6%に対し大手企業は8.7%、「紹介予定派遣の求人を増やしていく予定である」は中小企業が11.6%に対し大手企業は4.3%で、大手企業に比べ中小企業は派遣社員以外の雇用形態も幅広く扱っていく予定であることが明らかとなった。

労働者派遣法改正後も現在と同じように派遣社員の求人をメインに取り扱っていく予定ですか?

※中小企業:従業員規模100人以下または資本金5,000万円以下、大手企業:従業員規模100人以上または資本金5,000万円以上(業種により異なる。詳細は中小企業庁の中小企業の定義まで)