リアルネットワークスは16日、動画の再生や管理、共有、編集などが端末を問わず利用できるクラウドサービス「RealPlayer Cloud」の国内向けサービスを開始した。同日都内で発表会が行われ、同社代表取締役でエリア・バイスプレジデント アジアコンシューマー事業部帳浩(チャン ホ)氏が登壇し、サービス開始の背景や概要を語った。

TVに接続した「Roku」からRealPlayer Cloudを利用

同社代表取締役でエリア・バイスプレジデント アジアコンシューマー事業部帳浩(チャン ホ)氏

RealPlayer Cloudの概要

「RealPlayer Cloud」はアメリカ・カナダで2013年9月にサービスを開始したのち、イギリスやフランス語、スペイン語、ドイツ語など対応言語を広げ、2014年4月16日からは日本語のほか、ポルトガル語とイタリア語にも対応する。

Windows版「RealPlayer Cloud」(米国バージョン)

iOS版

Android版

「RealPlayer Cloud」はクラウドストレージサービスではあるが、動画の保存・共有に特化したサービス。対応フォーマットはH.264圧縮のMP4やMOVで、音声やテキストファイルには非対応となる。

主な機能として、Windows版「RealPlayer Cloud for Windows」の無料版では、動画のアップロード/ダウンロード、ブックマークコピー、CDへの書き込み、ストリーミング再生、動画編集(トリミング)機能のほか、FacebookやTwitter、メールでの共有が行え、日本限定でLINEへの共有も可能。有料版では上記に加え、変換と転送速度の高速化や、対応コーデック・ファイルの拡張、DVDへの書き込みや再生などのプレミアム機能を用意する。

RealPlayer Cloud利用イメージ

「RealPlayer Cloud」の大きな特徴として、再生側の端末や通信速度、再生情報をもとに動画を最適化する自動フォーマット技術「SurePlay」の採用が挙げられる。アップロードした動画は、ストリーミング再生する端末の画面サイズや通信状況、メモリ容量などに合わせて複数個のファイルに変換され、端末に応じた動画をスムーズに再生させる仕組み。

また、ネット接続がなくとも同一ネットワーク内での動画共有が可能。例えば、同じネットワークに接続しているテレビやPC、Android端末、iPad端末で、それぞれの端末内に保存している動画を各デバイスで再生できる。

同一ネットワークでつながれたTVとAndroid端末、PC(MacBook AirからブートキャンプでWindowsを起動した状態)、iPad mini。全端末で、それぞれのデバイス内の動画を閲覧することができる

デモンストレーションの1つでは、TVとの接続に国内未発売のストリーミングプレーヤー「Roku」を使用

料金体系は、容量と保存動画の転送ビットレートに応じて無料版/Sliver/Gold/Proの4種類を用意。無料版が2GB容量で1.5Mbpsまで、Sliverが月額499円で25GB容量(~2.5Mbps)、Goldが月額999円で100GB容量(~3.5Mbps)、Proが月額2,999円で300GB容量(~4.5Mbps)。

登録した全ユーザーに無料で与えられる2GB容量は、他者へのサービス紹介(+1GB)や複バイスの利用(+250MB)、動画のアップロード(+250MB)や共有(+250MB)などで、最大3.75GBまで増量できる。

RealPlayer Cloudの料金体系

2GBの無料ユーザーは最大3.75GBまで増量できる

「RealPlayer Cloud」にはWebブラウザ版のほか、専用アプリとして、WindowsおよびiOS、Android、Kindle Fire(Amazon Apps)、Windows 8向けアプリが提供される。アプリは上記4種類が用意されるが、iOSアプリでは月額499円で25GBのSilverプランのみ購入可能。ほか、国内未発売となるがストリーミングプレーヤー「Roku」や「Chromecast」にも対応するため、TVでも利用できる。

帳浩代表取締役は「インターネットに接続し、外付けのHDDのように使用できる」とストレージサービスとしてのメリットを説明した上で、独自の強みを「動画にフォーカスしたサービスで、動画に特化したUIの提供」と語る。

国内サービスの成功要因として「スマートフォンやタブレット市場の成長」、上り・下り速度の「安定したネット環境」、米国の2倍以上となる「RealPlayer利用率の高さ」、ChromecastやAmazon Fire TVなどの「マルチデバイス対応」の4点を想定。

スマートフォンやタブレットでの動画撮影が増加しているが、友人や家族と動画を共有したくても、端末の違いやファイルサイズの問題などで共有できないケースがあるとし、「RealPlayer Cloud」によってユーザーが時間や場所、端末を問わず動画を再生でき、円滑なコミュニケーション環境を提供すると、提供背景を紹介した。

動画のストリーミング再生のデモンストレーション。自動フォーマット技術「SurePlay」による変換が行われるため、アップロード後にすぐの再生はできない

発表会では国内未発売のChromecastやAmazon Fire TVなどを使い、デモンストレーションが行われた。ストリーミングプレーヤーへの先行対応も同サービスの特徴の1つとする