トヨタ自動車はこのほど、東京・台場の「MEGA WEB」にて、新型「パッソ」記者発表会を開催した。新CMキャラクターの水川あさみさんも登壇し、見た目も中身も磨き上げられた新しい「パッソ」を、女性ユーザーの視点からアピールしていた。

女性に好評の「パッソ +Hana」は、かわいらしさを強調するデザインに刷新。ゲストの水川あさみさんも、「初めて見たときに『カワイイ!』とはしゃいだ」という

女性ドライバーへの配慮が満載の快適装備

今回のマイナーチェンジではデザインが刷新され、「パッソ」「パッソ +Hana」という2つのモデルの個性が際立つように進化した。「パッソ」はワイド感と低重心を強調したフロントバンパーや、切れ長感のあるヘッドランプによって、端正な顔つきに。男性も意識した意匠といえるが、シンプルなデザインを好む女性にも、好感をもって受け入れられそうだ。

以前から女性に好評の「パッソ +Hana」は、丸いモチーフのアッパーグリルや、大きな瞳を連想させるプロジェクター式ヘッドランプなどで、かわいらしさを表現している。メーカーオプションでホワイトルーフの2トーンボディカラーも用意されていて、まるでフレンチネイルのようなキュートさだ。

1.0リットル高熱効率・低燃費エンジン搭載車第1弾となった「パッソ」

標準モデルの「パッソ」は、「スッキリ」「きりっ」をテーマに、クールなデザインに進化した

「パッソ +Hana」のリヤコンビネーションランプには、華やかなクリアピンクのインナーレンズが

モデル専用色を含む全15色のうち、3色は「パッソ +Hana」専用の2トーン(写真はミニカー)

「パッソ」といえば、従来から女性に優しい快適装備が充実している。今回のマイナーチェンジでも、新たに「スーパーUVカット・IR(赤外線)カット機能付グリーンガラス」がフロントドア左右に採用されている。日焼けの原因となる紫外線をカットするだけでなく、車内の温度上昇も抑えるので、エアコン効率も上がるはず。筆者をはじめ、「右腕だけ日焼けして困る」「エアコンをガンガンかけるのはちょっと……」という女性ドライバーにとって、うれしい新設定となった。

今回のマイナーチェンジで、新たに「スーパーUVカット・IR(赤外線)カット機能付グリーンガラス」がフロントドア左右に採用された

ルーフアンテナは手の届きやすい端っこに。写真は、『ドラえもん』のしずかちゃんをイメージした「しず・カー」。中央にはタケコプターも(笑)

快適といえば、小柄な筆者が従来から「いいな」と思っているのが、可倒式ルーフアンテナの位置だ。同車ではマイナーチェンジ前から、手の届きやすい端っこに設置されている。その一方で、アンテナがルーフ中央に設置されている車種も少なくなく、立体駐車場への入庫時に倒そうと思うと、手が届かず苦労させられることも……。屋外で雨の日だったりすると、もう泣きたくなってしまう。自宅マンションなどの立体駐車場に停めている人にとっては、使うたびに直面する問題なわけで、地味だが"涙モノ"の配慮といえよう。

質感の高いパネルやファブリック、スタイリッシュなオーディオ、機能的なフロントウォークスルーが印象的な内装

フロントシートまわりには収納がいっぱい。エアコン下の照明付マルチトレイや、助手席側の買い物フックはとくに便利

リヤシートのクッションを前方にスライドさせてフラットなスペースを作り出す「ロングクッションモード」

ラゲージスペースも必要十分。開口部が広いので、荷物の出し入れにストレスを感じないのではないだろうか?

いままで「パッソ +Hana」にしかなかったフロントベンチシートが「パッソ」にも新しく設定されるなど、インテリアの快適性も重視されている。従来と同様、収納スペースがこれでもかというくらい用意されていて、女性ユーザーから高い評価を得そうだ。

中でも筆者が便利に感じたのが、買い物袋問題(!?)を解決してくれそうな機能。紙袋やプラスティックバッグなどをシートに置いての運転中、減速時などにパタッと倒れたり床に落ちたり……、という経験をした人もいるはず。同車では、助手席に約3kgまで吊下げ可能なフックが付き、リヤシートにはシートクッションをスライドさせてフラットなスペースを作れる機能もあるため、そんな悩みを吹き飛ばしてくれそうだ。

燃費性能に磨きをかけ、「財布にも優しい」クルマに

今回のマイナーチェンジにおける最大のポイントが、ガソリンエンジン登録車トップとなる27.6km/リットル(1.0リットル・2WD車、JC08モード)の低燃費を実現したことだ。従来型から約30%も燃費が向上し、「エコカー減税」100%免税措置の対象車となった。

車両プレゼンテーションを行ったトヨタ自動車製品企画本部の鈴木敏夫主査は、燃費向上技術について、「新開発の高熱効率・低燃費エンジンを初搭載」したことや、「停止前車速約9km/hでエンジンを停止するアイドリングストップ機能の標準装備」などの具体例を示して説明した。消費税率が引き上げられたばかりのこのタイミングに、「ナンバーワン低燃費」「100%減税」というフレーズは魅力的。財布の紐をますます締めているユーザーのハートにも響くかもしれない。

女性ユーザーへの配慮がいっぱいの「パッソ」「パッソ +Hana」は、全国のトヨタカローラ店を通じて発売中。5月10・11日に店頭発表会も予定されているとのこと。