経済産業省 資源エネルギー庁は15日、日本海を中心とした5海域で表層型メタンハイドレートの広域地質調査を開始したと発表した。同庁は、2013年度からメタンハイドレートの資源量を把握する調査を行っており、今年度から調査海域を拡大する。

メタンハイドレートは、メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質。日本周辺海域において相当の量が存在していると考えられており、将来の天然ガス資源として期待されている。

2014年度の調査海域は、隠岐西方、隠岐トラフ西、上越沖、最上トラフ(秋田・山形沖)、日高沖の5海域。海洋調査船「第7開洋丸」(芙蓉海洋開発)を使用し、船底に設置した機器から音波を発信して、海底の地形や海底直下の地質構造を把握する。一部海域では詳細な地質調査も行う予定。

2014年度表層型メタンハイドレートの調査予定海域(出典:経済産業省Webサイト)

委託先は、産業技術総合研究所(事業主体)と明治大学・研究知財戦略機構(調査実施者)。調査期間は2014年6月15日まで(予定)。

2014年6月上旬から7月上旬にかけて、地質サンプルを取得する本格的な掘削調査を実施。2014年秋頃には海洋環境と生物環境の変動を把握するため、無人探査機(ROV)を用いたモニタリング装置の回収・設置等を行う。今後はこれらの結果を踏まえて、資源回収技術についての調査を実施する予定。