そろそろ家を買いたいと思ったとき、気になるのが住宅ローンの金利。住宅ローンを利用する際には、金利の他にも大事なことがあります。後悔しないために押さえておきたいポイントを紹介します。
住宅ローンを組んで家を買うってどういうこと?
家を買うのは普通の人にとって、一生にそう何度もありません。しかも高い! 現金で一括して支払うのは難しいので、住宅ローンを利用することになります。例えば、1000万円を金利2%、返済期間30年で借りたとすると…、借り入れた1000万円の返済に加えて、利息を約331万円も払うことに! 少しでも低い金利で借りたいのは当然ですね。
ただし、住宅ローンを利用して家を買うことで、こんな面もあります。
ひとつ目は遺族への保障の機能です。銀行の住宅ローンを借りるときは、団体信用生命保険に加入するのが条件となり、保険料は銀行が負担するのが一般的です。通常は、夫が住宅ローンを借りるケースが多いので、夫に万一のときは団体信用生命保険で残りのローンが返済されて、妻や子どもは住宅ローンを払い終わった家に住み続けることができます。つまり、住宅ローンを借りたら、団体信用生命保険による保障額を踏まえて生命保険を見直すことにより、保険料を節約できるかもしれません。家を確保できる分、死亡保険金を減らせば、保険料を節約できます。
もうひとつは節税です。10年以上の住宅ローンを組むと、住宅ローン残高の1%を所得税から還付してもらえる住宅ローン減税(年間の控除限度額40万円、2017年まで)を受けられます。所得税から引ききれない分は住民税からも引いてもらえます(限度額13万6500円)。さらに2014年4月からの消費税率8%への引き上げによる負担を緩和するため、すまい給付金制度も始まりました。自宅を買った人に現金を給付する制度で(年収の上限あり)、住宅ローン減税と併用できます。
貯蓄額、ライフプランに合わせて予算や時期を検討
住宅ローンを活用するとはいえ、頭金はなるべく多い方が返済がラクに進みます。貯蓄からどれくらいを頭金に回せるかで住宅ローンの借入額や買う家の予算も影響を受けます。頭金の貯まり具合、また今後のライフイベントも考慮して、購入のベストタイミングを見極めましょう。
頭金が貯まり、さて、いよいよ買い時だと判断したら、わが家に合う住宅ローンを賢く選ぶことが重要になります。
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<著者プロフィール>
ファイナンシャルプランナー 坂本綾子
20年を超える取材記者としての経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナー講師を行っている。著書『お金の教科書』全7巻(学研教育出版)、セミナー『子育て力のあるお金の貯め方、使い方』『小さな消費者へのお金の教育』など。