ジェイックはこのほど、2014年度入社の新入社員を対象に意識調査を実施、結果を公表した。

同調査は3月25日~4月5日、東京、横浜、名古屋、大阪エリアの主に2014年度入社の新入社員516名(166社)を対象に実施。昨年は2020年の東京五輪開催が決定したこともあり、今回の新人調査では、「6年後の自分」に関する設問項目を盛り込んでいる。

「6年後の働く自分像」は、「社会貢献できる仕事に就いている」が最多に

「6年後の働く自分像」は、「社会貢献できる仕事に就いている」が37%

「6年後の働く自分像(単一回答)」について聞いたところ、もっとも多かったのが「社会貢献できる仕事に就いている」(37%)という回答。以下、「今の会社で出世している」(27%)、「平凡に日常を過ごしている」(13%)、「日本の発展のために働いている」(12%)、「語学レベルを上げて海外で働いている」(7%)、「起業している」(4%)という結果となった。

ここ数年、若者=社会貢献欲が強いという傾向は各専門家やマスコミでも紹介されてきたが、今回、新入社員の意識として、社会貢献への願望が改めて浮き彫りとなった。一方で、「海外勤務」や「起業」に対する関心は低く、どちらかというと、今年の新入社員は「堅実な働き方」のイメージを持っていることがうかがえる。

「上司からの関わりについて期待すること」は、「ダメなことはきっちり指摘してほしい」

自分たちが成長して上記の力を身に付けていくための「上司からの関わりについて期待すること(3つ選択)」という設問に対しては、「ダメなことはきっちり指摘してほしい」(21%)という回答がダントツで、次いで「どんどん成長させてほしい」(16%)、「指示は具体的に出してほしい」(12%)、「仕事は丁寧に教えてほしい」(9%)という結果となった。

上司には、「ダメなことはきっちり指摘してほしい」と期待

これは「社会貢献している自分」という"ありたい姿"を目指して成長意欲が高い一方で、上司や先輩の背中を見ながら"自ら学ぶ"のではなく、教科書やマニュアルといった"フレームワークに沿って仕事を教えてもらう"という受け身での成長に慣れている若者像が浮かび上がる。

新入社員のおよそ7割が、「6年後も同じ会社で働いている」

「6年後も今の会社で働いていると思うか?」という問いに対しては、「強くそう思う」(37%)、「そう思う」(33%)という結果で、新入社員のおよそ7割が6年後も同じ会社で働いている安定志向をもっている。

新入社員のおよそ7割が、「6年後も同じ会社で働いている」と回答

数年前から、新入社員が3年で3割辞めてしまう「3年3割問題」もクローズアップされているが、入社する時点では「6年以内に退職するかも知れない」と考えているのは10%未満に過ぎない。

同社では、各企業は今後、新入社員の安定志向と成長意欲をうまく両立させて会社へ長く貢献してもらうために、入社後の働き方や活躍のロールモデルを明確に示し、成長を促す指導ノウハウを蓄積していく必要性がますます高まっていると言える、としている。