そのほか、プロジェクションマッピングを駆使し、井上氏の絵が動き出す演出や、三面スクリーンによる映像シアターといった、映像を駆使した展示演出も行われるとのこと。記者発表会では、同展の日本側の学術監修を行った神奈川大学の鳥居徳敏教授から、ガウディにまつわるエピソードが多数語られた。加えて、建築家で、井上氏の作品を愛好し、直々に展覧会公式ナビゲーターを依頼された光嶋裕介氏が、その経緯や意気込みについて語った。
発表会の最後には、4月1日から同展の作品制作のためバルセロナに滞在している井上雄彦氏が、Skypeを通じてコメント。窓からサグラダファミリアが見える絶好のロケーションの部屋に滞在。制作はガウディ建築であるカサ・ミラ内にアトリエを構えて行っているという。好きなガウディ建築を問われると、そのカサ・ミラに加え、未完の傑作と呼ばれるコローニア・グエル教会堂地下聖堂と答えた。
さらに、ガウディと自身との共通点を質問されると、恐縮しながらも「完成を急がないところでしょうか」と冗談めかして発言し、会場の笑いを誘った。最後に、同展に向けた作品制作への意気込みとして、「お天道さまに身をゆだねて、何かしら良い形のものができたらと思います。楽しみにしていてください」とコメントした。
なお、同展の会期は2014年7月12日~9月7日。会場は東京都・六本木の森アーツセンターギャラリー。同展は東京会場での開催以後、2015年7月まで約1年間、日本全国で巡回展を開催。巡回先は、金沢(金沢21世紀美術館/10月4日~11月5日)、長崎(長崎県美術館/12月20日~2015年3月8日)、神戸(兵庫県立美術館/2015年3月21日~5月24日)、仙台(せんだいメディアテーク/2015年6月3日~7月12日)となっている。