クリエイティブチーム 無重力は、iOS向けミュージックプレイヤーアプリ「HummingWay(ハミングウェイ)」を公開した。価格は無料。

「HummingWay」

「HummingWay」は、GPSと連動し、音楽を再生することができるミュージックプレイヤーアプリ。ユーザーは同アプリにFacebookアカウントでログインし、あらかじめある地点と、その場所で聴きたい曲をセットしておくと、自分がその場所を通ったときに自動で曲が再生される。再生する楽曲は、端末の音楽ライブラリから選ぶことができる。

また、同アプリのWebサイトでは、散歩やランニング、ドライブコースなどでの使い方が紹介されている。他のユーザーがセットした曲を見ることもでき、また自動再生のON/OFFはアプリ内で切り替えることが可能だ。

クリエイティブチーム 無重力は、このアプリのディレクションとiOSのプログラミングを担当。デザインやテクニカルディレクション、バックエンドのエンジニアリングには、それぞれ社外のクリエイターが携わっている。同アプリの公開に際して、無重力の六反孝幸氏に話を聞いた。

――サービス発案のきっかけ、ねらいは?

きっかけは、昔カーステレオがカセットテープだった頃の記憶です。"あの場所であの曲を流したいな"と想像しつつ、曲を並べ、テープを作っていましたが、渋滞や信号の都合で思うようなタイミングで再生されないこともありました。これをアプリにして、GPSを利用すれば、渋滞や信号待ちに巻き込まれても、最適に再生することができるのでは、と考えました。

この着想は、無重力の34歳の社長によるものです。細かい話ですが、江ノ島と辻堂の間に、藤沢側から来るとちょうど海が見える地点があります。社長は昔、デートドライブのときに、そこを通り過ぎるときにサザンオールスターズの曲が流れ始めるようにしたかったのに、渋滞でうまくいかなかった経験があるそうです(笑)

言われてみれば、確かに"この曲はここで聴きたい!"みたいな曲ってあるなと思い、このアプリを作り始めました。実際にデモ版が完成したときに試してみたのですが、音楽が流れ始めた瞬間に風景が変わるというか、日常にBGMが付いてドラマタイズされるような感じになって、"これはいける"と確信しました。

――企画、開発でこだわったこと、苦労したことは?

とにかく、デバッグが大変でした。移動を繰り返さないとデバッグできないので(笑)

また、iOSの「ミュージック」アプリとシームレスにつながるようにこだわりました。ミュージックアプリで他の曲を再生していた場合、再生中の曲は一時停止され、セットした曲が再生されます。曲が終了した後は、一時停止された曲を再開します。

そして、位置情報に関連するアプリであるため、プライバシー情報に関しても配慮してあります。他のユーザーがセットした曲を見て、試聴することもできますが、どのユーザーがその曲をセットしたかは、フレンドだけが知ることができる仕様になっています。

他のユーザーがセットした曲がマップに表示される

セットした曲は試聴したり、Facebookでシェアすることができる

――ユーザーにはどのような楽しみ方をしてほしいですか?

「この場所でどんな曲を聴くといいかな?」、「この曲はどんな場所で聴くといいかな?」と、場所や曲を想像しながら生活をしてもらえるようになると嬉しいです。

公式サイトでは、"海辺でサザンオールスターズ"、"原宿できゃりーぱみゅぱみゅ"などステレオタイプな使い方を紹介していますが、そういうものだけでなく、音楽と場所にはもっと豊かな関係性があると思っています。他のユーザーのハミングも見ながら想像をふくらませてもらいたいです。

今後は、ユーザーの反応を確かめつつ、音楽ストリーミングサービスの「Spotify」など、iPhoneの音楽ライブラリ以外への対応や、他のユーザーがオススメする曲の購入、都市ごとにプレイリストを作成し、音楽でたどる観光ガイドを作る機能の実装など、アップデートを行う予定です。