帝国データバンクはこのほど、第10回「コンプライアンス違反倒産」の動向調査結果を発表した。
同社では、「粉飾決算」や「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2005年4月から集計を開始しており、今回は2013年度(2013年4月~2014年3月)までの倒産(負債1億円以上、法的整理のみ)について分析した。
「不正受給」や「雇用」関連のコンプライアンス違反倒産が増加
2013年度の「コンプライアンス違反倒産」は209件が判明。2012年度の200件を上回り、年度ベースとしては2005年度に集計を開始して以降で最多を記録した。
違反類型別にみると、「粉飾」が前年度(57件)よりは8.8%減少したものの52件判明し、構成比24.9%で最も多かった。以下、「業法違反」の33件(構成比15.8%)、「資金使途不正」の22件(同10.5%)と続いた。
また、東日本大震災の復興事業の補助金や、中小企業緊急雇用安定助成金、介護報酬などの「不正受給」が発覚した企業の倒産が、2012年度の7件から17件(8.1%)と大幅に増加。労働基準法違反など「雇用」関係のコンプライアンス違反が発覚した企業倒産(16件)も、前年度の11件と比べ5件増加した。
業種別では「建設業」が56件で最多
業種別にみると、「建設業」が56件判明し、構成比26.8%で最も多かった。以下、「サービス業」の43件(構成比20.6%)、「製造業」の34件(同16.3%)と続いた。一方、倒産件数が「建設業」に次ぐことが多い「小売業」におけるコンプライアンス違反倒産は、7件のみの判明となった。また、「粉飾」が発覚したコンプライアンス違反倒産を業種別にみると、建設業が15件で最も多く、次いで卸売業の14件となった。