東北芸術工科大学は9月20日から10月19日までの1カ月間、山形県山形市の中心部にある国の重要文化財「文翔館」を拠点に、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2014」を開催する。
アートの力で東北の魅力を掘り起こし、全国へ、世界へ、発信
同芸術祭の開催テーマは、「山をひらく」。みちのく山形からゆるやかに東北を拓き、来場者にその魅力や文化を持ち帰ってほしい、という思いを込めている。この芸術祭から、多くの市民の方とアーティストが共同してアートの力で東北の魅力を掘り起こし、全国へ、世界へ、発信していくとしている。
3月15日に発表した公式ポスターでは、獣の皮で作った蓑を被った少女をメインビジュアルに使用。同芸術祭の芸術監督でアーティストの荒井良二氏(作・絵)の絵本「はじまりげんしくん」の主人公から着想を得て、イラストレーターで山伏の坂本大三郎氏が衣装を制作した。頭の飾りものには野生のウサギやハクビシン、イタチの毛、イタヤカエデなどの葉をまとい、「根本から湧き上がる力を秘めた存在」「未来を生きぬく子どもの逞しい姿」を表現している。
招待アーティストとしては、いしいしんじ(小説家)、梅佳代(写真家)、Goma(料理創作ユニット)、坂本大三郎(山伏、イラストレーター)、山形在住のスガノサカエ(画家)、spoken words project(ファッションデザインチーム)、平澤まりこ(イラストレーター)、トラフ建築設計事務所、三瀬夏之介(同学准教授、日本画家)、和合亮一(詩人)などが名を連ねる。詩人や小説家などの「ことば」を手法とするクリエイターが多いことも、同芸術祭の特徴となっている。
また、音楽関連では、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で注目を集めた大友良英(作曲家)のほか、鈴木昭男(サウンドアート)、鈴木ヒラク(アーティスト)、テニスコーツ(ポップユニット)、畠山美由紀(シンガーソングライター)、吉増剛造(詩人)らが、会期中の週末にコンサートやパフォーマンスで出演、共演する。
そのほか、これまで山形で展開してきた地域連携プログラムとの連携企画、地元デザイナーによるお土産品プロジェクトなども実施。趣味指向や世代の違いを超え、さまざまな人たちへの「東北の入口」を、アーティストと市民が共に作り上げていくという。
会期は、9月20日~10月19日。会場は、山形県山形市・山形県郷土館「文翔館」(旧県庁舎/県会議事堂)、 東北芸術工科大学、やまがた藝術学舎ほか。入場無料(一部音楽プログラム有料)。その他、詳細は同イベントWebサイトで確認できる。