米AMDは8日、デスクトップ向けグラフィックスカードの新モデルとして、1枚のカード上にRadeon R9 290X相当のGPUを2基搭載したハイエンドカード「Radeon R9 295X2」(開発コード名:HYDRA)を発表した。価格は1499米ドル。これに合わせて、米AMD本社からデスクトップ向けグラフィックス・プロダクトマネージャーのDevon Nekechuk氏が来日し、製品説明を行った。

Radeon R9 295X2

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米AMD デスクトップ向けグラフィックス・プロダクトマネージャー Devon Nekechuk氏

Nekechuk氏は、Radeon R9 295X2を「ゲーマーが見ただけでわくわくするような製品」と表現する一方で、「気の弱い人には向かない、非常に危険な製品」とも説明する。単純な性能だけでなく、手にした際の喜びや所有欲をかき立てるべく、本体の質感にもこだわったという。

ハウジングにはアルミニウムとマグネシウムを採用し、自動車などでも利用されているパウダーコートにより、質感を高めている。

本体はアルミニウムとマグネシウムを採用

本体のファンやロゴ部分にLEDを搭載。カードの負荷に応じてLEDの明るさが変化する仕掛けを盛り込む

Radeon R9 295X2は、Radeon R9 290X相当のGPUをPLXのPCIeスイッチ「PLX 8747」で接続するが、単純に2基のGPUを搭載したというだけではない。コアクロックをRadeon R9 290Xの最大1000MHzから1018MHzにオーバークロックしている。Nekechuk氏によると、Catalystからコアクロックを2000MHz、メモリクロックを8000MHzまで引き上げることもできるという。

Radeon R9 295X2と従来モデルのスペック比較

TDPは500W。Asetek製の液冷クーラーを標準で搭載する。ラジエーターのサイズは120mm角となっている。

Asetek製の液冷クーラーを標準で搭載する

Radeon R9 295X2の分解写真

自らを「オタク」というNekechuk氏は、現在の自作PCについて「プラグアンドプレイでパーツを接続するだけで問題無く動作する」と述べつつ、「Radeon R9 295X2ではその状況を変えたい」という。Radeon R9 295X2の使用にあたっては、「電源やPCケースを慎重に選ばなければならない」と説明する。

具体的な要件として、現在のところ電源ユニットについて「8pin×2の12V補助電源にそれぞれ28Aを供給できること」「合計で50A以上の12Vが供給できること」とアナウンスされている。対応する電源ユニットや推奨するPCケースについてはAMDからリストを提供するという。

このほかの仕様は、SP数が2816基×2の合計5,632基、メモリクロックが5000Mhz(データレート)。メモリタイプはGDDR5で、容量が4GB×2の8GB、接続バス幅は512bit×2。PCとの接続バスインタフェースはPCI Express (3.0) x16。ディスプレイ出力はDVI×1、Mini DisplayPort×4。

演算性能は11.5TFLOPSに達する

メモリは4GB×2の8GB