西日本鉄道はこのほど、貝塚線開業90周年を記念し、旧塗装電車(313形2両編成)を37年ぶりに復活させると発表した。貝塚線は1924(大正13)年5月23日、当時の博多湾鉄道汽船が新博多~和白間で開業したのが始まりとされる。
313形は1952(昭和27)年に大牟田線の通勤形電車として製造され、強度を損うことなく車体を軽量化する「モノコック構造」を採用した日本初の鉄道車両として注目を集めた。
その後、1977(昭和52)年に貝塚線の前身である宮地岳線に転籍。当時は8両4編成が在籍したが、2007(平成19)年4月の宮地岳線西鉄新宮~津屋崎間廃止にともない、6両3編成が廃車に。現存する2両1編成(315・365号車)についても、来年1月24日の運行終了をもって廃車になることが決まっている。
今回、この315・365号車の車体を、1970年代まで使用していたベージュとマルーンのツートンカラー(旧塗装)に塗り替えることに。5月23日から、貝塚~西鉄新宮間を運転する5編成(平日ラッシュ時は6編成)のうち1編成を旧塗装電車で運行するという。315・365号車はこれ以降、塗替えの予定がないため、旧塗装で営業運転最終日を迎えることになる。
なお、4月16日から塗装作業を行うため、現行のオキサイドイエローの外装で運行するのは4月15日が最後。旧塗装電車の運行初日となる5月23日には、出発式を開催する予定で、詳細は決まり次第発表となる。