石油資源開発(JAPEX)は7日、秋田県由利本荘市の鮎川油ガス田にて、新型原油「シェールオイル」の商業生産を2014年4月1日に開始したと発表した。事業化は国内で初という。
同社は2012年10月より、鮎川油ガス田にて既存の井戸を利用して、女川タイト層を対象とした酸処理試験を国内で初めて実施。2013年5月に行われた第2回フローテストでは、酸処理前(日量約1.5キロリットル)に比べて原油生産量が20倍以上となる増油効果を確認していた。
同社は第2回フローテストの後、商業生産開始に向けて地上設備の設置を進めるとともに、フローテストを重ねてきたが、良好な結果を得られたことから、本格的な商業生産を開始することを決定したという。生産量は1日当たり約35キロリットルで、国内の原油生産量の約1%に相当する。
同社は併せて、秋田県男鹿市の福米沢油田(申川油田群の1つ)にて計画しているシェールオイルの実証実験に向けて、5月下旬にも水平井戸の掘削作業に着手すると発表。福米沢油田では、北米地域のシェールガス・オイル層開発で一般的に用いられているタイト層多段フラクチャリング実証実験を国内で初めて実施する。採取作業は11月から12月にかけて行われる予定だ。