女優の米倉涼子が、テレビ東京開局50周年特別企画として今夏放送される松本清張原作ドラマ『強き蟻』で4人の男を翻弄する人妻役で主演を務めることが7日、明らかになった。米倉が同局のドラマに出演するのは、今回が初めてのこと。

松本清張原作『強き蟻』で主演を務める米倉涼子

松本清張著『強き蟻』は、己の目的のために、夫の寿命を緩やかに縮めようとたくらむ人妻を中心に、欲まみれの男女が入り乱れ、犯罪が犯罪を呼ぶサスペンス。31歳年上の会社役員・沢田信弘の後妻として嫁いだ伊佐子(米倉)は、3年後に資産十億円を"未亡人"となって独り占めすることをたくらみ、夫の寿命を緩やかに縮めようと計画を練っていた。信弘の前妻との娘・妙子からは不信感を抱かれ、自宅で顔を合わせた時に「あなたが結婚したのは父ではなく資産」と言い放たれる。

ある日、年下の愛人・石井寛二を訪ねた時に、石井の元彼女・乃理子が血を流して横たわっている場面に遭遇。一命をとりとめたことを確認して伊佐子は自宅に戻るが、その夜に乃理子が死亡してしまう。事件によって石井との関係が明るみに出ることを恐れた伊佐子は、知り合いに頼み、石井に若手弁護士・佐伯義男をつけてもらうが、その後、石井が逮捕されたという報告を受ける。佐伯は「無罪にする」と自信を見せていると言うが…。

伊佐子を演じる米倉は「さすが松本清張! と思わせる展開で、脚本を読んで面白い、そして演じて面白い、ということで、役者にとってこの上ない喜びでした」と、作品を絶賛。役柄について「一見悪い女性に見えます。しかし、ここまで自分の欲望のために動くのなら…と、応援したくなるキャラクターでしたし、たくましさ、かわいらしささえ感じました」と魅力を伝え、「人物それぞれの欲望が渦巻き、その中で主人公・伊佐子が男性に強く向かっていくたくましさは見どころです」と説明した。

また、「作品ごとにそれぞれの色があるので一概に魅力というと難しいのですが、松本清張作品と出会えたことにより、芝居の面白さをより感じることができました」と松本清張作品への思いを語り、「作品でお世話になるたびに、松本清張さんのお墓参りを欠かさずさせていただいているので、またそろそろ伺わなければ」とコメントした。