日本車両はこのほど、台湾鉄路管理局に通勤電車EMU800型を納入したと発表した。通勤電車EMU700型(160両)の納入に続く、台湾車輛との共同受注・納入となる。台湾車輌は日本車両や住友商事などが出資する台湾の鉄道車両製造会社。

台湾鉄路管理局に納入された通勤電車EMU800型(日本車両提供)

日本車両はプロト車16両の製作と、台湾車輛への技術サポート、部材供給などを行い、台湾車輛が製造した量産車280両と合わせて計296両を納入したという。

今回納入したEMU800型は、設計最高速度140km/h、営業最高速度130km/hのステンレス製車両。衝突対策や床への耐火災対策を施し、安全で使いやすい車両だという。台湾鉄路管理局で各駅のホーム高さがかさ上げされるのに合わせ、従来のEMU700型にあった側入口のステップをなくし、側裾部分の車体を拡大。流線型の先頭部には自動開閉できる連結器カバーを装備。先頭車には、車いすスペース、多機能トイレ、自転車を固定する設備を備えた。

座席は、先頭車をロングシート、中間車をセミクロスシートとし、各車とも優先席の割合を既存車両より増やした。車内側入口の上部にはLED表示器を、天井部には動画広告なども表示できるLCD表示器を配置したという。

プロト車16両は今年1月から営業運転を開始しており、台湾車輛が製作する量産車も順次納入されるとのこと。先頭部の塗装が笑顔のように見えることから、台湾では「微笑号」の愛称で呼ばれているという。