ドイツのアウディはこのほど、2014年FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する新型「R18 e-tron クワトロ」を発表した。発表に際し、この車両でル・マン市内をパレードする異例の演出が行われた。
この演出は、出場者が自分のレーシングカーを運転してサーキットに向かっていた、かつてのル・マンをほうふつとさせるもので、アウディの最新マシンが多くの人々を驚かせることにもなった。パレードはウェルカムセンター前の特設会場まで、ブガッティサーキット1周を含めた約10kmに及び、その模様は各国のジャーナリストやゲストに公開され、インターネットライブ中継などで世界中に配信された。
ステアリングを握ったのは、ル・マン24時間レースで9回という最多優勝記録を持つトム・クリステンセン選手。「1997年からル・マンで闘い続けている私でも、こんな経験は初めてのことで。すごくエキサイティングです」とコメントしている。
これまでル・マン24時間レースで2度の優勝を果たしている「R18 e-tron クワトロ」の新型モデルは、新型のパワートレインを採用。その基本データも公開された。V6 TDIエンジンの排気量が従来の3.7リットルから4リットルにアップされており、この排気量アップは燃費をこれまで以上に向上させるためだという。同マシンは4月20日にシルバーストーン(イギリス)で行われるWEC開幕戦で、WECタイトル防衛のシーズンをスタートさせる。