米Appleが韓国Samsung Electronicsに対して起こしている訴訟の控訴審が4月1日(米国時間)にスタートしている。今回はGalaxy S IIIなど、Samsungの過去モデルの製品について、Appleの特許を侵害しているとして米国での販売差し止めを求め起こしたもの。AppleはSamsungの特許侵害で損害賠償請求で成功しているものの、販売差し止め請求についてはいずれにおいても却下され苦戦が続いている。
同件はReutersなどが報じている。2011年春にスタートした両社の訴訟は舞台を世界中に拡大して3年の月日が経過しているが、前述のように2012年の判決で9億3000万ドルの損害賠償請求については確定しているものの、当該の特許を侵害したとされる製品の販売差し止めについては請求棄却が続いている。
Reutersによれば、Samsungの2013年第4四半期における利益は77億ドルで、このうち同社モバイル部門の収益は51億ドルと、およそ全体の3分の2を占めている。最新モデルが対象ではないとはいえ、販売差し止め請求が通ることは同社の生命線を断たれることに等しく、賠償請求よりも大きなダメージをもたらす可能性がある。
Apple側代理人として登場したHarold McElhinny氏は8人の陪審員を前に、Samsungは特許を侵害している3700万台のスマートフォンならびにタブレットを販売しており、1台あたりの特許料は33ドルに該当すると述べ、その被害状況を訴えている。なお、今回の審理は5月初旬まで続く見通しとなっている。