オーブンで80分焼くよ

オーブンの温度設定を見ていると、150度以下の温度設定が可能な機種は多い。このような低温設定はあまり使わないよな……と思っているときに、ふと思いついた。野菜を低温で焼いてみたら……。

今回使ったのはトマトとパプリカ。トマトは洗ってヘタを取り除き、半分にカットして塩を少々振ってから焼く。パプリカは洗って丸ごとそのままオーブンへ。

はじめは120度で40分。その後、140度で40分。合計80分と考えると気が遠くなりそうだが、焼いている間は特に作業は発生しないので、それほど手間はかからない。

80分低温で焼いたトマトはジューシーさを残しながらも凝縮感のある旨みが特徴的

80分焼いた後のパプリカ。皮が手でむけるほどやわらかい

80分後……トマトは、セミドライとまではいかないが、少し水分が飛んでいる状態。こちらは塩を振りかけているのでこのままいただくとしよう。ナイフ&フォークでカットすると、崩れるほどやわらか。口に運ぶと、凝縮感のあるトマトの旨みが伝わってくる。ジューシーさを残しながらもこの濃縮度! 高級フレンチレストランで出てきそうな、おしゃれな一品に仕上がった。

さて、パプリカのほうは、簡単に手で皮がむけるほどにトロンとやわらかくなっている。皮をむいたら手で適当な大きさに裂き(やけどをしないように注意! )、ヘタを取り除く。皿に盛り、オリーブオイルと塩をかける。お味は……こちらもやわらかさを残しながらも、甘みがすごい! 特有の青臭さはなくなっていて、甘みがぎゅっと詰まった状態。

パプリカは皮を向いてヘタをとり、手で適当な大きさに裂いてからオリーブオイルと塩を少々

80分間焼きます――というと、読者の中には「心折れるわー」なんて感じる人もいるだろうが、これは世界が変わるおいしさだ。ぜひ試してみてほしい。