4月5日公開の映画『サクラサク』の完成披露会見が27日、都内で行われ、緒形直人、南果歩、矢野聖人、美山加恋、藤竜也、さだまさし、田中光敏監督が出席した。
本作は、シンガーソングライターのさだまさしが自身の父親の思い出をベースに描いた同名短編小説を、『精霊流し』(2003年)や『利休にたずねよ』(2013年)などの田中光敏監督が映画化。崩壊寸前の大崎家が、認知症を患った祖父の俊太郎(藤竜也)の記憶をたどり、思い出の地を探す旅の中で家族の絆を取り戻していく。
主演の緒方は、夫婦役で初共演した南果歩について「前々から知っていたので、すぐに通じ合ったというか、楽しかったです。心の動きというか、いいお芝居が出来たと思いますね」と話し、南も「夫婦役で長い時間共演でき、安心して委ねられました」と絶賛。また、緒形の「妻の表情が辛かったです」という言葉に反応したさだまさしは「この明るい果歩さんが能面みたいで怖かった~。美人って愛想を良くしてくれないと怖いですよ(笑)」と横槍を入れつつ、「この映画は拳銃を撃つ人も出てこなければ無残な殺され方や爆発事件も起きません。(家族)一人ひとりが抱えた問題は即座に命と引き換えるピンチではない悩みがあります。現実とご自分の悩みを照らし合わせながら、『どうにかなるよ』と思って見て頂けたらうれしいです」とアピールした。
半年ぶりに会ったというキャスト陣。南が子供役の矢野聖人と美山加恋に「すごく大人になって寂しいんです。親が見ていないところで子供は成長するんですね」と漏らして笑わせる場面も。そんな南は、撮影中、母親のように振舞っていたようで、美山が「私たち子供は果歩さんに(食事の)お誘いを受けてました」と撮影以外でも南に頼っていたことを告白。田中監督は「関係が深まっていくと色んなアイデアが出てきました。それが映画の中で沢山出ています」と撮影以外でのコミュニケーションが好結果を生んだと話し、さだも「最後に行くに従って、紛れも無い家族になっていましたよ」と5人を褒め称えていた。
また、この日の会見で、8月下旬にカナダのモントリオールで開催される「モントリオール世界映画祭」のフォーカスオンワールドシネマ部門に本作が推薦されたことも発表された。映画『サクラサク』は、4月5日より全国公開。