シャープは3月27日、新製品「ヘルシオ お茶PRESSO TE-GS10A(以下、お茶PRESSO)」を発表した。本稿では、同社にて開催されたメディア向け説明会の様子を報告する。

お茶PRESSOは、コーヒーメーカーのような手軽さで緑茶が入れられる"お茶メーカー"だ。市販の普通の茶葉から石臼で挽いたような粉末を作り、茶道で茶筅を使って点てたお茶のような緑茶が入れられる。発売は4月25日を予定。市場想定価格は2万5,000円前後(税別)となる。

「ヘルシオ お茶PRESSO TE-GS10A」

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筆者が「お茶PRESSO」とだけ聞いて実機を見た第一印象は「ちょっと大きなティーマシン」だった。他社から出ているカプセル式より大きいぶん、何か特徴があるのかと期待して説明を聞く。

まず驚いたのはカプセル式ではなかったこと。石臼を模したセラミック製の臼で茶葉を約10μmとされる市販の抹茶粉に近い約20μmのきめ細かな粉末状に挽いて、挽きたての緑茶を入れられるという。確かによく見ると本体にはミキサー、ポット、タンクが別々に設けられている。第一印象より"遥かに本格的"だ。

ミキサーを分解したところ。このセラミック製の小さな臼が毎分約100回転でゆっくりと茶葉を粉末に変えていく。回転があまり高速だと茶葉の栄養素が熱で失われてしまうため、ちょうど良い回転数を探り出すのも大変な作業だったそうだ(写真左)。小さいながらもしっかり溝が設けられているのが分かるだろうか(写真右)

「茶道で使う茶筅の働きを再現するところが開発時に最も苦労した」と語る、健康・環境システム事業本部調理システム事業部 新規事業推進プロジェクトチーム チーフ 田村友樹氏(写真左)。茶筅の役目を担う回転はねがポットの下部に設けられている。研究すればするほど茶筅がいかに完成された道具か痛感したと言う(写真右)

また、製品名に「ヘルシオ(HEALSIO)」の名が付けられていることもポイントだ。

ヘルシオというと、多くのユーザーが思い浮かべるのは同社のウォーターオーブンだろう。水蒸気を加熱して100°C以上の気体(過熱水蒸気)に変えて調理に利用することで、食品の余分な脂や塩分を除いて健康的な料理が作れる商品だ。同社では2004年に初代ヘルシオ「AX-HC1」を発売して以来、ヘルシー(Healthy)な料理を実現する調理家電の名称に「ヘルシオ」の冠を付けており、これまでにも炊飯器やスロージューサーなどのラインアップがある。