『笑っていいとも!』(フジテレビ系 毎週月曜~金曜12:00~13:00)も残すところ、あとわずか。27日のオープニングで、ピース・又吉直樹が「今日最後じゃないですか。よく卒業式とかで、ジャンプして写真を撮るのをやってみたい」と言い、全員で手をつないでジャンプ。年齢差があるだけにジャンプはそろわなかったが、写真を見ると、タモリだけが表情で笑いを誘っていたのはさすがだった。
『いいとも!』と同じ32年のつき合い
CMが明けると、テレフォンショッキングで小泉今日子が登場。デビュー当時を思わせるライトブルーのブラウスとミニスカート姿の小泉を見たタモリが、「お変わりなく(キレイで)」と声をかけると、「最後にもう一度出られるとは思っていませんでした」と笑顔を見せる。
2人の出会いは、小泉がデビューするきっかけとなったオーディション番組『スター誕生』。タモリは1年間だけ同番組の司会を務めていたのだ。小泉が「82年にデビューしたから『いいとも!』と同じ。だから週5日でここ(アルタ)に来ていたなんて信じられない」と称賛されたタモリは、「オレも長くやるつもりじゃなかったから」と照れる。
小泉のぶっちゃけトークが止まらない
話題はタモリお得意のお酒に。タモリから「相変わらず強いですか?」と聞かれた小泉は、「飲みますね」と即答。すかさずタモリが「あの飲み続けた記録ってホントですか?」と尋ねると小泉は、「夕方6時から飲んで、家に帰ったのは翌日の夕方4時。22時間……フフフ」と笑い、「負けた。オレ最高で17時間」とタモリは悔しくもうれしそう。
さらに小泉が「新宿あたりって24時間やってる店があるし、最終的にはオカマのママとラッパーと3人で飲んだ」「帰りのタクシーで『もうそろそろ死んだ方がいいかも』ってみんなで。新宿2丁目は通って15年くらい。楽しいところなんですよ」と開けっぴろげに話すと、タモリは「楽しい楽しい。(オカマは)女子に興味ないから安全」とますますノリノリに。小泉が「(オカマに)『来たわねブス~』とか言われる」と話すと大爆笑していた。
さらに、小泉「二日酔いはめったにない」、タモリ「オレも酔っぱらった状態が続いているだけ」、小泉「分かる! ついこないだもドラマの撮影中にまだ酔ってて、中井貴一さんと酔っぱらいながらケンカしているシーンがすごいやりやすくて、『今日の私、絶好調』と思った」、タモリ「オレも『いいとも!』は寝ずに来たことがある。目が覚めると絶好調で、朝食が締めの食事みたいで元気」とぶっちゃけトークが止まらない。ついには、「同じタイプだから、これからも一緒に歩いていきましょう」と見つめ合っていた。
2人だけの世界に客席はポカーン
この後も「ウイスキーが好きなこと」「飲んでいるときは食べないこと」など、全ての飲み方で意気投合。気分をよくしたタモリは、安倍首相に続いて小泉も「今度一緒に」と誘っていた。ただ、タモリはお酒の話になると止まらないため、この日の客席は終始ポカーン。"2人だけの世界"に置いていかれ、笑いも歓声もあまりないまま、時間が過ぎていく。思えばこんな雰囲気も『テレフォンショッキング』ではよくある光景だった。
話題を変えようとしたタモリが、「(小泉は)体形が変わらない」と話しかけると、小泉は「やせたり太ったりを繰り返していますね。お母さんの役とかやると『太ってもいいや』みたいな気になるし」と返す。すると突然タモリが、「(二の腕をさわりながら)この辺、オレ好きなんですよ」とカミングアウト。小泉は「男の人、(女性の二の腕が)好きですよね」と笑いつつタモリの二の腕をさわって「かわいい!」と小悪魔っぽくほほ笑んだ。ミニスカ、トークの合わせ方、スキンシップ……この日はタモリが小泉の魅力にやられたのは間違いない。
Ⅹ/100アンケートは、「(私のデビューと『いいとも!』がはじまった)と1982年に生まれた人」。小泉の予想人数は3人だったが、結果は2人で前後賞をゲット。続いて明日のゲストに黒柳徹子が紹介されてコーナーは終わった。果たしてタモリの『テレフォンショッキング』になるのか、『徹子の部屋』になるのか、どちらでも鉄板だろう。
恩返し芸は、まさかの大スベリ!
CM明けにはじまったのは、「最終回特別企画 タモリさん! 最後に驚かしちゃっていいかな? SP」。レギュラー陣がタモリに感謝の気持ちを込めて、恩返し芸を披露するという。
トップバッターのピースは、アルタの屋上から中継。「綾部が箱の中に入って姿を消し、スタジオに現れる」イリュージョンを披露した。
2番手はベッキー。「私は何もやりません。恩返し芸は終わってるんです。実は昨晩(深夜)2時にアルタへ来て泊まり込みの徹夜でこのセットを作りました。デザインして絵描いて色塗って」と寝ずの作業を明かした。
3番手は山崎弘也。東大出身の和太鼓チームを従えて山崎も叩くと思いきや、ラスト3発+「ハッ!」の掛け声のみで終了。徹夜で作業したベッキーが「何で~。ずっとそういう生き方よね」とツッコミを入れた。
ラストは笑福亭鶴瓶。「俺は体を張った。ずっとオレの目が細いと言われ続けたから、整形で二重にしてきました」と驚きの二重まぶたを披露。……と思いきや「やろうと思ったけどメイクさんがナンボやっても、アイプチも無理だった」と、その目はメイクをしただけでほぼ変化なし。コーナー全体もトリも、まさかの大スベリで強制終了という結末。これもある意味、サプライズかもしれない。
エンディングで10分余りの異常事態
『曜日対抗いいともCUP』をはさんで発表された「恩返し芸で最も驚かせた"森田一義アワード"」は、「ふだんとセットのタッチが違うから、何だろうと思ってた」と言わせたベッキー。芸人たちがスベったため、当たり前の結果だが、タモリ型トロフィーをもらったベッキーは、お返しにキラキラにデコレーションのマイクカバーをプレゼントするなど、さすがの抜け目なさを見せた。
しかし、『驚かしSP』があまりに淡泊かつ滑ったため、エンディングになったのに、まだ12時48分。終了まであと約10分もある。ここで急きょ、「レギュラーの主張コーナー」が設けられ、雑談がはじまった。この辺のバタバタハプニングも、それをピースや山崎ら若手芸人の頑張りで乗り切ろうとするのも、往年の『いいとも!』でよく見られた光景だ。
最後は鶴瓶が「ここで発表していいか知らんけど……タモリさんが考案した落語をオレが考えて作って今度発表する」とスベッた分をセルフカバー。やはり「『いいとも!』やタモさんのためなら何でもアリ」の空気が流れている。
「火曜の全員テレフォンショッキング」、「水曜の全員ネタ祭り」、「木曜の驚かしSP」に続く、明日のサプライズ企画は何なのか? レギュラーは、関根勤、草なぎ剛、田中裕二、劇団ひとり、木下優樹菜と演技ができるメンバーが多いが……。『いいとも!』は残りあと2日。
■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。