昨年から通話に絡むニュースが続々と続いています。通話料金・サービス競争が激化し、ユーザーとしてはありがたいのですが、ビジネスで置き換えた場合も同じような恩恵が受けられるのでしょうか? gooスマホ部にも「IP電話はビジネスで使いやすいでしょうか?」といった質問が来ていましたので、調べてみました。
IP電話、通話アプリ、マイラインアプリ
キャリア以外の通話サービスで代表的なものは大きく3つあります。
(1) IP電話(050で始まる番号を利用するタイプ)
・インターネットを利用した通話サービス。アプリをインストールしている人同士は無料、固定電話や携帯電話に格安で通話ができるサービス
・050番号を利用して、発信だけでなく着信にも対応
(2) IP電話(キャリア番号を利用するタイプ)
・1と類似するサービス(アプリに登録した時の電話番号を使って発信のみ可能)
(3) マイラインアプリ
・相手先の電話番号の頭に事業者番号を付けることで通話料金が割引になるサービス(発信のみ可能)
各プランを展開している主要国内会社のうち、IP電話(050で始まる番号を利用するタイプ)として、「050 plus」、IP電話(キャリア番号を利用するタイプ)として「LINE 電話」、マイラインアプリとして「楽天でんわ」を比べてみました。
通話料や音声品質は?
(税抜) | ||||
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携帯電話 | 楽天でんわ | LINE 電話 | 050 plus | |
固定電話への通話料金(1分換算) | 40円 | 20円 | 3円(※1) | 2.67円(※2) |
携帯電話への通話料金(1分換算) | 40円 | 20円 | 14円(※1) | 16円 |
※ IP電話の料金換算は、固定電話・携帯電話に均等に電話した場合を想定して算出
※1 LINE 電話の料金はコールクレジットの金額で算出
※2 050 plusの固定への通話は3分8円
仕事上、スマホで通話するケースは良くあることだと思いますが、キャリア通話で1分当たり40円(税抜)という通話料がかかるものの、3社のサービスなら、それよりもかなり安く通話ができます。
3社のサービスを比べてみると、楽天でんわはIP電話より料金が高く設定されています。IP電話であるLINE 電話と050 plusの料金はほぼ同じですが、050 plusについては発信時だけでなく、着信時も相手(発信元)の通話料が安くなるのが特徴です。(固定電話から050 plusで着信した場合)
また、個人によって感じ方はさまざまですが、音声品質は引き分けと言っていいのではないでしょうか。
IP電話は過去、「音質があまり良くない」という声もありましたが、今では全くそのようなこともないようです。3GでもLTEでも問題ないですが、Wi-Fi環境があるなら、それを使うことで、常にクリアな品質で電話をかけることができます。
試しにLINE 電話を使って3分ほど通話してみたところ、一度だけブツッと途切れるような音がしましたが、それ以外で気になるところはなくクリアでした。
このように、LINE電話と050 plusはインターネット回線を用いているものの、一定の質が保たれており、楽天でんわは電話回線を使っているため安定感があるといえます。
気になる使い勝手は?
3社のサービスを「ビジネス」という視点から比較してみると、いくつかのポイントが浮かび上がってきました。
まずLINE 電話ですが、現状では事前に購入した料金分しか通話ができません(自動チャージは現時点でありません)。そのため、商談が盛り上がってつい通話が長くなり、途中で購入した料金を使い果たして通話が途切れてしまう…なんてことも起こるかもしれません。
また、LINE電話からドコモユーザー(NTTドコモ契約数:約6,000万)にかけると、相手には「番号非通知」と表示されるので、非通知拒否設定をしている人には繋がりません。そもそもビジネスにおいて非通知で電話することはマナーに反するともとれ、不安を仰いでしまいかねません。
国番号の「+81」から始まる番号で通知されるケースもあるので、相手に海外からの着信と誤解されるだけでなく、番号を打ち直して折り返す手間を与えることも考えられるため、注意が必要です。
楽天でんわは、アプリ上で電話番号の頭に「0037-68-」という事業者番号を自動付与してくれるため通話が安くなるというサービスですが、相手には発信元の携帯番号のみが表示されますので、まったく気になりません。
ただし、「0037-68-」をつけて発信すると、家族間や同じ携帯電話事業者同士の通話が有料になるため、無料でかけるには「無料通話リスト」への登録が必要です。ちょっと煩わしく感じるかもしれません。
最後に050 plusについて。自身の携帯電話番号とは異なる「050」で始まる番号が付与されるので、それを相手に伝えておけば、通常の電話と同じように番号通知をすることができます。また050で始まる番号で発信も着信もできるので、プライベートな携帯番号を仕事関係者などに知られずに済みます。
電話を受けるためにアプリを立ち上げておく必要がありますが、最新バージョンの場合、電池消費量は1日3%程度(SIM通調査)に改善されているようなので、立ち上げっぱなしでもさほど問題ないかもしれません。
それぞれ利用シーンによってのメリット・デメリットはあるかと思いますが、今回は特に「ビジネスシーン」にスポットを当てているので、「通常の電話と同じように問題なく使えて、かつ料金も安くなる」という「楽天でんわ」や「050 plus」が使いやすいと言えるかもしれません。
携帯電話には備えられている、忘れてはいけないあのサービスも
忙しいビジネスパーソンほど、連続での会議や外出の機会が多いもの。大切な電話がかかってきても出られないことは多いですよね。そこで大切なのが留守電サービスです。
050 plusには、留守番電話機能が搭載されているので、仮に電波が良くない場所にいて電話がかかってきたとしても、留守番電話に切り替わり、大切な連絡を逃すこともありません。これは携帯電話と同じ要領ですね。
一方、発信専用の楽天でんわやLINE 電話の場合は、キャリアの留守番電話サービスに加入する必要があります。(その場合、オプション代金が必要になったり、留守番電話を聞くのに電話料金がかかったりします)
その他ビジネスで気を配るべき事項も挙げておくと、050 plusにはスピーカーや保留などの機能があるようです。また、楽天でんわと050 plusは得意先の電話番号などが入った電話帳データを端末内でのみ参照して、ネット経由でサーバ等にUPしない仕様のようです。 ビジネススタイル上、料金・機能・品質といった面のどれを優先するかは人それぞれですが、様々な面からサービスを比較して選んでみてはいかがでしょうか?
■ 記事提供:gooスマホ部
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