3月22日と23日、東京・秋葉原のツクモパソコン本店にて「春のASUS大感謝祭 in ツクモパソコン本店」が開催された。22日と23日の2日間にわたってASUS製品を紹介するセッションが開かれたが、ここでは22日に行われた「R.O.G.」編の内容と会場の様子をレポートする。
今回のイベントは自作PC関連だけでなく、高級USB DACやIEEE802.11ac対応ネットワーク製品など幅広いアイテムが展示し、セッションでそれぞれについて解説するという形を取っている。「R.O.G.」のセッションではゲーマー向けのハイエンド製品について、ASUS Japanでグラフィックスカードとマルチメディア製品を担当しているピーター陳氏から解説が行われた。
陳氏によるとR.O.G.はゲーマー向けのASUS最上位ブランドであり、最高のパフォーマンスを求めるために妥協のないパーツによって「コスト度外視」で作られているという。ゲーマー向けとあってアグレッシブなデザインが特徴だ。
ASUS製品で最上位の位置にあるR.G.OシリーズはOC向けに特別に選ばれたパーツとアグレッシブなデザインで、ゲーマー向けとして位置付けられている |
こちらは23日に行われた「ビデオカード」編のセッションで使われたスライドだが、「コスト度外視」と明言している |
今回のセッションではマザーボード5モデル、グラフィックスカード2モデルの紹介を行った。陳氏によると、最近の傾向としてゲーミングでも小型のフォームファクタを採用したモデルが登場しており、紹介されたマザーボードのうち2モデルはMini-ITXフォームファクターとなっている。
Mini-ITXのサイズに機能がつめこまれたMAXIMUS VI IMPACT |
会場には未発表の製品としてチップセットにIntel B85 Express搭載製品が展示されていた。R.O.G.シリーズはハイエンド製品が多いが、こちらはIntel B85搭載ということで、ある程度手にしやすい価格帯で提供されるのではないだろうか |
グラフィックスカードでは、まずGeForce GTX 760を2基搭載した「MARS760-4GD5」と、水冷と空冷のハイブリッド冷却に対応した「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」が紹介された。どちらも特異な製品で、こうしたひとくせある製品を自作市場に提供できるという点もR.O.G.の強みだろう。
GeForce GTX 760を2基搭載し、GeForce GTX 780 Tiをもしのぐという性能の「MARS760-4GD5」と液冷/水冷のどちらにも対応する「POSEIDON-GTX780-P-3GD5」。どちらも特徴のある製品だ |
そして、先日行われた日本AMDのイベントで展示していた「MATRIX-GTX780TI-P-3GD5」を紹介。未発表製品だと思われるのだが、R.O.G.のWebサイトなどですでにある程度の情報は露出している。今回は残念ながらサンプルボードを持ってくることができなかったそうだが、搭載機能について少し突っ込んだ話が聞けた。
未発売のMATRIX-GTX780TI-P-3GD5の説明。電源は14フェーズでMOS FETにもヒートシンクが付く。MATRIXシリーズのSafeModeは健在で、それを含めたGPU負荷状況が色でわかるようになっている |
クーラーは基本的にDirectCU2の構成だが、ヒートパイプは直径10mmの極太だそうで、高い冷却性能が期待できる。陳氏も「サンブルボードを見たとたん欲しくなった」という。また、「Memory Defroster」と呼ばれる機能によってメモリ周辺をヒーターで温めて極冷時の霜を取り除き、コールドバグを防ぐといったことも可能で、単なるゲーミングだけではなく、ハイエンドのオーバークロッカーにも向けた製品となっている。
冷却気候は銅パイプがGPUに直接あたり、デュアルファンで冷やすDirectCU2を採用。CoolTech Fanはエアフロー改善の特殊ファンで、2つ使わないのは干渉するからだという |
Memory Defrosterとは極冷で霜がつかないようにメモリ周辺をヒーターで温める技術とのこと。極冷まで行う人はそうは多くはないが、今後オーバークロック関連のイベントや大会などで目にする機会があるだろう |
"POSEIDON"でも本体にLEDが内蔵されているが、"MATRIX"ではGPUの負荷をLEDの色で判別できるようになっている。また、オーバークロック設定を失敗した場合に備えてSafe Modeスイッチが用意されており、パフォーマンスを一時的に抑えて再設定できるようになっている。
さて、ASUS製品ではデジタル電源回路「DIGI+ VRM」や、高耐久のカスタム部品「Super Alloy Power」といった高品質なパーツを用いていることは知られているが、R.O.G.製品でもこうしたこだわりの部材を使うことで品質を高めている。また、通常の製品には搭載されないハイエンドならではの機能を多数盛り込んでいる。
R.O.G.のこだわりポイントの1つが電源回路で、現在のEXTREME ENGINE DIGI+ IIIではチョークコイル、コンデンサ、FETそれぞれ独自パーツを使用している |
ハイエンド系ボードのGPUの裏にはオーバークロック時の安定性を上げるためにSAP(Super Alloy Power)CAPが入っている。ポセイドンだと確認しやすい |
陳氏が「チート機能」とまでいうSONIC RADAR、音情報を視覚化することによって、FPSなどでどの方向から敵が来るか、どの位置から射撃されているかといった情報を得ることができる |
SUPREMEFX。サウンドの強化としてグランドラインの分離、オーディオラインを基板の中央を通すことでノイズを抑制し、さらにサウンドチップの上にシールドケースを装備している |
メインメモリをドライブとして使用する、ROG RAMDisk |
SSDのパフォーマンス劣化を抑えるためにSSDのデータ消去を行う。一般的には寿命に関わるのでSSDでは積極的に消去しないが、性能のためにあえて行っているようだ |
R.O.G.製品にはラインナップには、SSDやサウンドカードとヘッドセットもそろえるほか、入出力デバイスとしてECHELON(エシュロン)シリーズも登場する。現時点で用意されているのがキーボード、マウス、マウスパッド、ヘッドセットとUSB DACとなっている。
キーボードのECHELON mech。とりあえず日本市場では人気の高いCherry MX 黒軸からスタートするものの、エリアによって人気が異なるので、販売が増えればキー種も増えそうな感じだ |
キーボード右上のアップ。このようにUSBハブとサウンドコネクタがキーボードにまとまっているのが特徴。このためケーブルはやや太い |