PMS、月経前症候群をご存じだろうか。月経開始の1~2週間前から起こる不快症状のことで、眠気やイライラ、おなかや乳房の張り、頭痛などが挙げられる。これらの症状は月経が始まると消えるのが特徴だ。
産婦人科医で性科学者の宋美玄医師によると、「PMSの原因ははっきりしていません。排卵後は、卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少し、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が盛んになるため、こういった女性ホルモンの急激な変化が影響しているとされている程度です」とのこと。また、「PMSは生理前の症状。生理中の症状はまた別物で、どちらかしか起こらない人もいたり、両方症状があったりと個人差があります」。
PMSの治療法とは
さてこのPMS、放置しておいてもいいものなのだろうか。「日本人は我慢強いので耐えてしまう人も多いのですが、周囲の人に当り散らしてしまったり、そのことが原因で家族が不快に思うといった状態になっているのであれば、対処したほうがいいと思います。たとえば、イライラの症状であれば、桃核承気湯という漢方を処方することもありますし、低用量ピルを用いての根本治療もあります」。
我慢をし続けているとそれがストレスになり、さらに症状が悪化するという負のスパイラルになりかねない。毎月の症状が重くて気になる人は、一度婦人科の受診をお勧めする。
宋美玄(そん みひょん)医師
産婦人科女医・性科学者
1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科を卒業。同年医師免許取得、大阪大学産婦人科入局。2007年川崎医科大学講師就任、2009年イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学。
2010年には日本国内の病院にて産婦人科医として従事する傍ら、「女医が教える本当に気持ちいいセックス」を上梓。50万部突破の大ヒットとなる。 2012年には第一子となる女児を出産。現在、フジテレビ「とくダネ!」火曜日レギュラーコメンテーターとしても出演中。