2020年の東京オリンピック開催が決まったこともあり、国が政策として掲げる「観光立国」を実現しようという機運が民間企業レベルでも高まりつつある。東京・秋葉原では3月21日~23日の3日間、日本人だけでなく外国人の誘致も促進させようというイベント「秋フェス2014」が開催中だ。主催企業のひとつであるNTT東日本は駅前会場に体験ブースを設置し、公衆無線LANサービス「光ステーション」による「Free Wi-Fi」の利用を呼び掛ける。イベント初日の模様を、本稿で紹介していこう。
秋フェス2014とは
秋フェスは、秋葉原が街全体で取り組む「オール秋葉原」のイベントだ。今回が初開催となる。ご存じの通り、秋葉原には電化製品・アニメ・メイドカフェなど「世界でも珍しい」日本の文化やサブカルチャーを求めて、多くの外国人観光客が訪れる。そこで秋葉原では「秋フェス2014」を開催し、秋葉原駅周辺で外国人にも利用できるFree Wi-Fiをアピールしたり、周辺施設への誘導促進を行ったりしていく。主催はNTT東日本東京支店、つくばテレビ、秋葉原電気街振興会、秋葉原観光推進協会など。
外国人旅行者を対象に実施したとある調査では「日本の旅行中に困ったこと」として「公衆無線LAN、Free Wi-Fiの環境が足りない」という問題点を指摘する声が多かったという。そこで秋葉原では現在、NTT東日本の協力を得てFree Wi-Fi環境を提供できる「光ステーション」の設置を進めている。店舗・施設内に「光ステーション」をもうけることで、国内外の来訪者にWi-Fi環境を提供できるという 。サービスの詳細はFree Wi-FiのWebサイトで確認できる。筆者も実際に秋葉原の街を歩いてみたが、人の多く集まる通りや施設においてFree Wi-Fiのステッカーを確認することができた。
秋フェス2014の期間中、秋葉原駅(電気街口)前の会場には特設メイドカフェや、NTT東日本の「光ステーション」へ簡単に接続できる「フレッツ光 Wi-Fi」アプリを体験できるブースが設置される予定だ。光ステーションの体験者はメイドと記念撮影できるほか、メイドカフェ体験チケットなどが当たる抽選も行われるという。筆者が訪れた初日は強風のためイベントが中止になった。
ブースでは「光WiFiラリー」も実施される。これは「光ステーション」を利用した電子スタンプラリーで、電器店やメイドカフェ、劇場などの店舗をめぐって電子スタンプを3つ集めると「特別抽選会」に参加できる趣向となっている。外国人観光客向けには、Free Wi-Fiが利用できる店舗を記載したパンフレットを配布。外国人を「お・も・て・な・し」する準備も着々と整いつつあるようだ。
秋葉原の街がテーマパークになる
イベント初日には記者会見が開催された。登壇したのはNPO法人秋葉原観光推進協会 理事 事務局長で、秋フェス実行委員 副委員長の泉登美雄氏。泉氏は「秋葉原では外国人の方の利便性向上を目指し、NTT東日本さんと組んで光ステーションを整備してきた。今回はその魅力を体験していただけるよう、Wi-Fiスポットをまわるスタンプラリーやフレッツ光の体験ブースを用意している。素敵な景品が当たるイベントも実施するので、多くの方にお越しいただけたら幸いです」と挨拶した。
このあと、秋フェス2014春 出演アーティストである「LinQ」「バクステ外神田一丁目」「ALLOVER」「メイドカフェぴなふぉあ」などのグループが挨拶した。
秋葉原多言語ガイドツアー「アキバランドツアーズ」は、外国人が秋葉原の観光を案内するツアーガイド。登壇したキャットさんは「Free Wi-Fiスポットが増えたことで、秋葉原の街も便利になってきた。日本で使われている携帯電話を持っていなくても、インターネットが利用できる。たくさんの海外の方に秋葉原を知ってほしい」と呼び掛けた。
外国人は無料でWi-Fiの利用が可能に
秋葉原の免税店では現在、NTT東日本が提供する「Free Wi-Fi」が利用できるID PASSカードを配っている。これは秋葉原の電気街や、ポップカルチャー系の多くの店舗で利用できるもの。14日間(336時間)無料のWi-Fiサービスが利用可能になるという。ちなみに外国人向けのFree Wi-Fiではあるが、光ステーションは日本人でも30分無料で利用可能。スタンプラリーやクーポン、コンテンツなども利用できるとのことだった。
※2014年3月22日追記
イベント初日は強風で中止となったが、2日目は無事にブースが設置された。ブースの様子はマイナビニュースの別稿で紹介しているので、是非チェックしていただきたい。