カシオ計算機は19日、小中学校の入学祝いの贈り物に関する意識・実態調査を発表。「学習関連品」が人気を集めたことや、その中でも「電子学習機器」への注目が高いこと、子供に電子辞書を持たせている親の満足度が高いことなどの結果となった。
同社では、電子辞書「EX-word」(エクスワード)シリーズの新製品として、小学校低学年向けモデルの「XD-SU2000」を3月7日に発売しており、今回の「入学祝い/電子辞書に関する意識・実態調査」は、これに合わせて実施された。調査対象は、小学校・中学校の子供を持つ30~49歳の男女500人。
調査ではまず、「小中学校の『入学祝い』として子供に贈りたいと思うもの」を質問。「学習関連品」が57%で2位以下を大きく上回る1位となった。次点は「現金」の29%で、以下、3位「腕時計・洋服などの装飾品」(27%)、4位「自転車」(24%)、5位「スポーツ用品」(16%)、6位「パソコン・スマートフォン」(13%)、7位「ゲームなどの娯楽用品」(5%)と続く。
1位の「学習関連品」の中では、「商品券(図書カードなど)」が65%で1位。以下、2位「文房具」(57%)、3位「書籍(参考書、図鑑など)」(52%)、4位「電子学習機器(電子辞書、PCソフトなど)」(44%)が上位を占めた。過去に定番だった「学習家具(学習机・本棚など)」は25%にとどまった。
同社では、「今の児童は、早いうちからデジタル機器に触れているデジタルネイティブ世代であり、電子学習機器と書籍の数値が近しいことは注目すべき点。新たな入学祝いの贈り物として、電子学習機器に注目が集まり、伸びてきていることがうかがえる」とコメントしている。
ちなみに、子供がもらって残念だった入学祝いとしては、「趣味の合わない洋服」、「ゲームソフト」などが。趣味とセンスが問われるものや、娯楽用品を避ける回答が多く上がったという。
電子学習機器の「電子辞書」に関して、子供が電子辞書を持つ親に「子供に電子辞書を買って満足しているか」を質問。4分の3を超える77%が「満足している」と回答した。
具体的な活用方法として、「分からない語句があるとすぐに調べている」「受験勉強に使ったり、小説を読んだりしている」「検定問題などをやっている」といった回答も目立つ。同社では「電子辞書は調べること以外にも、さまざまな方法で学ぶツールとして活用されている。贈られた両親の満足度も高く、さまざまなシーンで活用されている」と述べる。
現役の塾講師であり、教育・学習事情に詳しい西村創(にしむら・はじめ)氏は、自身が授業を受け持つ小学5年生~中学3年生の間では、授業に電子辞書を持参する子供が多く、教師もデジタル機器に抵抗のない若い世代が増えている指摘。小学校でもタブレット端末や電子黒板の導入が進んでおり、電子辞書が教育・学習の現場で使われることが当たり前になっていると述べる。
特に中学生にとっての電子辞書は、辞書として語句を調べるだけでなく、英語の発音や理科の図版や写真、社会の歴史辞典や用語集も活用されているという。
一方、小学生にとっては、鳥の鳴き声などの音声が聞けたり、アニメを通じて英語に親しめるなど、学ぶ意欲を引き出すための教材としても活用されている。自分の興味や関心を把握して好奇心を広げていく、学ぶことの良い手助けになるとのこと。
対象学年が異なる辞書や参考書では、調べても説明文の意味が分からなかったりすることから、学年に合ったものが必須とも。大人の思いは「学習に関するプレゼント」、子供の思いは「興味があるもの」として、電子辞書は両方のバランスが取れた贈り物だとしている。