経済協力開発機構(以下、OECD)はこのほど、報告書「図表で見る社会 2014」を発表した。報告書は、所得不平等と社会の分裂が高まっており、政府が社会的弱者への支援を早急に増やす方策を取らない限り、その状態が固定化すると警告している。
勤労所得がない世帯で暮らす人の数を2007年と2012年で比較したところ、ギリシャ、アイルランド、スペインでは2倍、エストニア、イタリア、ラトビア、ポルトガル、スロベニア、米国では20%以上増加していた。
若者が貧困に陥るリスクは、経済危機以前より現在の方が高いことが判明。国の平均所得の半分を下回る所得しか得ていない世帯の若者(18~25歳)の割合は、エストニア、スペイン、トルコで5ポイント、アイルランド、英国で4ポイント、ギリシャ、イタリアで3ポイント上昇した。
食品を満足に購入できない人の割合は23カ国で増加。特にギリシャ、ハンガリーで著しいが、米国でも増えている。
日本については、相対的貧困率が16.0%とOECD平均(11.3%)より高いことが判明。65歳以上の貧困は2007年から2010年にかけて減少したが、子供や若年層の貧困は増加した。また、10万人当たりの自殺率は22.3%と、OECD加盟国の中で3番目に高かった。