日経BPコンサルティングがモバイルデータ通信端末の満足度に関する調査結果を3月17日に発表した。同調査によると、NTTドコモが6年連続で顧客満足度ナンバーワンを獲得。特に、通信エリアの広さに対する満足度が高かったという。本稿では、同調査の結果について詳しく紹介していく。
同調査は2009年から毎年実施しているもので、今年で6回目となる。2014年2~3月に全国のモバイルデータ通信端末ユーザー2297人に対し、国内通信事業者5社のモバイルデータ通信端末の利用に関する満足度を調査した。調査対象とした通信事業者は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス(イー・モバイル)、UQコミュニケーションズの5社。
今回調査した「モバイルデータ通信端末」は、PCなどに接続してデータ通信を行うモバイル端末。PCカードタイプ、CFカードタイプ、USBタイプ、Expressカードタイプ、モバイルWi-Fiルータタイプなど。データ通信端末の機能を内蔵したPC、W-LAN専用のタイプ、デジタルフォトフレームは調査対象外となる。
今回の調査では、通信エリアの広さを「屋外:都市部」「屋外:郊外」「屋内」の3項目に分けて評価。通信の質と速度は「データ通信速度」「通信品質」の2項目、端末に対する評価は「端末の価格」「端末(性能/機能/使いやすさ/デザイン/サイズ)」の2項目、利用料金は「月額利用料金/料金プラン/割引サービス」の1項目、顧客対応は「販売店・ショップ店員の対応」「アフターサービス・サポート」の2項目とした。これら10項目に「総合満足度」を加えた11項目について、実際にデータ通信端末を利用しているユーザーに満足度を4段階で尋ねた。
11項目中8項目でドコモ1位に
満足度をスコア化した結果をみると、ドコモが「総合満足度」を含めた11項目中8項目で満足度1位となった。ドコモは第1回調査から6年連続で総合満足度1位を獲得している。「通信エリアの広さ」に対する評価が都市部・郊外・屋内のいずれにおいても1位となり、他の通信事業者に比べて満足度が非常に高いことが分かる。ドコモユーザーに契約通信事業者を選んだ理由を尋ねた結果においても「通信エリアの広さ」が最大の理由となっており、ユーザーからの期待も大きいことがうかがえる。「データ通信速度」「通信品質」を含めたネットワーク面での満足度全ての項目においてドコモが1位となった。
「月額利用料金/料金プラン/割引サービス」の満足度はUQコミュニケーションが1位、ドコモが2位。ドコモはこれまで料金面の満足度が低かったが改善した。顧客への対応を評価した「販売店・ショップ店員の対応」「アフターサービス・サポート」の2項目ではドコモが満足度ナンバーワンとなった。
総合満足度2位はKDDI、3位はUQに
総合満足度で2位となったのはKDDI(au)。満足度1位の項目はなかったが、総じて高い満足度を得た。前回1位の「データ通信速度」「通信品質」の2項目のほか、「通信エリアの広さ」に関する3項目に加え、「販売店・ショップ店員の対応」「アフターサービス・サポート」の合計7項目でドコモに次ぐ2位となっている。
総合満足度3位はUQコミュニケーションズ。「端末の価格」「端末(性能/機能/使いやすさ/デザイン/サイズ)」「月額利用料金/料金プラン/割引サービス」において1位となった。一方、「通信エリアの広さ(屋外:郊外)」「通信エリアの広さ(屋内)」では評価が低く、不満傾向のスコアとなった。ただKDDI(au)とあわせると、トータル的に満足度の高いサービスを提供しているといえる。
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今回の調査では、ドコモのデータ通信端末がいずれの項目でも高評価を得ていることが分かった。11項目中8項目で1位を獲得しており、ほぼ「完勝」の結果と言える。KDDIおよびUQ陣営においては、KDDIが通信の品質と顧客対応を保証し、UQが価格面での高評価を獲得。お互いの弱点を補うような結果となっているのが面白い。
一方でソフトバンクモバイルは総合満足度で最下位と低調だった。「つながりやすさNo.1」をアピールする同社だが、通信エリアの広さでは屋外(都市部)で最下位、屋外(郊外)で3位、屋内で4位という結果。データ通信速度、通信品質でも、ともに最下位と奮わなかった。今後の巻き返しに期待したい。