「フレーバーウォーター」が人気を集めている。飲料水にフルーツなどの味や香りをプラスしたもので、1996年発売の「桃の天然水」や2012年発売の「い・ろ・は・す りんご」などロングセラー商品も多いが、ここにきてこういった定番商品がリニューアル。新商品も投入され、さらにはフレーバーウォータを自分でつくるためのグッズも登場してきている。にわかに盛り上がりを見せ始めたフレーバーウォーター市場を分析していこう。

新製品の発売や既存商品のリニューアルが盛んなフレーバーウォーター市場。自作系アイテムの充実も見逃せない

富士経済によると、フレーバーウォーターの市場規模は、2011年の販売額が236億円だったのに対し、2013年は437億円(見込)と約1.8倍に、その後も2014年496億円(予測)、2015年534億円(予測)と伸張を見せており、市場は拡大傾向となっている。

ロングセラー商品も夏を前にリニューアル

1996年発売の桃の天然水は3月にリニューアル。味わいはそのままに、人工甘味料・保存料不使用といった文言を配置し、こだわりの品質を訴求するパッケージに変更する。い・ろ・は・す りんごも同様のタイミングで、長野県産ふじりんごのエキスによる果実味に加え、すっきりとした後味も楽しめるよう味わいを刷新した。

既存のミネラルウォーターブランドから新商品も

一方で、新商品の投入も盛んだ。ダイドードリンコは3月24日に「miu ピーチ&マスカット」を、サントリー食品インターナショナルは朝摘みの100%有機栽培オレンジを使った「サントリー 南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ」を4月8日に発売する。ともに、「miu」「南アルプスの天然水」といった既存のミネラルウォーターブランドからの発売で、これらのファンも取り込み人気を確立していきそうだ。

また、ジャパン・フード&リカー・アライアンスは今年2月に食物繊維入りフレーバーウォーター「ハイピース ベジウォーター」を発売。肥満抑制効果があるとされ、話題を集めている希少糖も使用するなど、機能性を高めた。

船橋市非公認ゆるキャラ「ふなっしー」応援の商品も登場した。船橋市立船橋高校商業科の生徒がサプリメント製造会社・健康体力研究所と共同開発した「市立船橋(いちふな)アスリートウォーター」だ。梨風味の粉末清涼飲料で、人気ゆるキャラを巻き込んだ取り組みで注目を集めそうだ。

自分でつくるフレーバーウォーター

「シトラスジンガー・フレーバーボトル」は内蔵のスクイーザーをつかってオレンジやレモンなどのフルーツを絞り、その果汁をボトル内の液体と混ぜる。ミネラルウォーターを使えば自分好みのフレーバーウォーターをつくることができる

さらに、新しい動きも見られる。自分でつくるフレーバーウォーターグッズの充実である。まずは2月に発売されたポッカサッポロフード&ビバレッジの「ポッカレモンLemotte(レモッテ)」。「水に合う新しいレモン」がコンセプトで、市販のミネラルウォーターに同商品を加えるだけで、簡単にフレーバーウォーターが出来上がるといったものだ。

ボトルタイプの「アクアジンガー・フレーバーボトル」と「シトラスジンガー・フレーバーボトル」も面白い。前者はボトル下部の容器にフルーツやハーブなどを入れ、歯がついたフィルターをかぶせてボトルにてセットをするとエキスを搾り出せて、ボトル内の液体とミックスすることができるといった内容。シトラスジンガー・フレーバーボトルは歯付きフィルターの代わりにスクイーザーが内蔵。レモンやオレンジなどをこれで絞ってボトルにセットする。

文化出版局からは「野菜、果物、ハーブで作るフレーバーウォーター」といったレシピ本が出版されている。緑茶や紅茶といった新感覚の素材を使ったものから、カクテル風に仕上げたものまで、バラエティ感のある内容となっており、こだわり派にはもってこいのレシピとなっている。

ロングセラー商品のリニューアルから手作りグッズまで、市場の伸張を見せるフレーバーウォーター市場。夏場に向けて、その勢いはさらに加速していくことだろう。