高島屋は26日~4月6日まで、日本橋高島屋にて「武井武雄の世界展 ~こどもの国の魔法使い~」を開催する。
子供のための絵を芸術に高めた"童画の父"、生誕120年記念
同展は、武井武雄生誕120年を記念し、童画の父「武井武雄のすべて」を展観する展覧会。童画、版画、刊本作品、おもちゃ・陶芸など総計約400点にのぼる過去最大の回顧展となる。
長野県岡谷市に生まれた武井武雄は、「こどもの心にふれる絵」の創造をめざし、大正から昭和にかけて、絵画・版画・刊本作品など様々な芸術分野で活躍した。特に、"童画"(大人が描く子供のための絵 )という言葉を世に送り出し、「コドモノクニ」「子供之友」や「キンダーブック」などの児童向け雑誌で作品を発表。それらは子供が喜ぶだけでなく、大人が観ても満足する芸術性の高いものとなっている。
また童画家としてのみならず、版画家、童話作家、郷土玩具やこけしのコレクターであり研究家、創作玩具作家、本の装丁などのデザイナー、そして造本作家でもあった。多彩な創作を行い、しかも各分野で他の追随を許さない存在で、技法もパステル、版画、水彩、各種工芸技法をはじめ貪欲にいろいろな表現に取り組み、多くの作品を残した。
「おやゆびひめ」キンダーブック 1965年12月号掲載 |
展示は、「童画誕生 ~こどもへのまなざし~」「版画 ~ひろがる表現~」「刊本作品 ~本の宝石、愛書鬼のライフワーク~」「日常の愉しみ ~掌の中の小宇宙~」で構成。武井が表紙を描いた絵雑誌「コドモノクニ」や刊本作品、版画をはじめ、アイディアを注いでデザインしたおもちゃやミニアチュール、陶芸などの多彩な作品を展示する。また半世紀にわたり創作された計139冊の私家本から、選りすぐりの60点も出品される。
開催日時は、3月26日~4月6日 10時~20時(最終日は18時閉場)。入場料は一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。会場は、日本橋高島屋8階ホール(東京都中央区日本橋2丁目4番1号)。