この他、会見では、もともとのNatureに掲載された論文の作成日がかなり古く、小保方氏が若山研究室に出入りしている時期に近い日付であること、小保方氏が行った切り貼りの行為について、やってはいけないことという認識がなく、申し訳ないと思っていること、小保方氏へのヒアリングは少なくとも3回は行っているが、新たなヒアリングに向け、早稲田大学などから資料を提供してもらい、想定質問を作製しているものの、今週頭ころから、精神の状態が良くなく、新たなヒアリングを行うには、その回復を待ってからということになること、論文の作製は小保方氏と笹井氏が共同作業という形で進めており、「小保方氏の経験では、Natureの論文として仕上げるのは力不足。論文の流れや図表をどうするかは笹井氏が指導したと思っている」(石井氏)といった笹井氏の役割などに関することなどの説明も行われた。

また、石井氏は、調査委員会としては、「こちらの要望に応じてデータを出してくれており、これまでの経験と感触から証拠隠滅などの可能性が低いと判断し、研究室の強制的な封鎖などは行わない判断をした」とし、敢えて証拠の保全を委員会として行っていないとしたが、その背景として、「経験から言えば、一見、妥当な説明をしているように思えても、これだけのデータが揃うと、不都合な部分、ほころびが生じる部分が見えてくる」という説明をしていた。

なお、今回の会見は、200名弱の会議室に300名を超す報道陣が詰めかけ、席が無い場合、通路に直接座るという姿も見受けられた。また、出席した理研の担当者たちは、今回の問題を重く見ていたためか、ほとんどの報道陣からの質問に真摯に答えようという姿を見せており、最終的に4時間を超す会見となった。