JR東海は14日、中央新幹線(東京都・名古屋市間)の大深度地下部分について、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度法)第12条にもとづく「事前の事業間調整」手続きを行うと発表した。

中央新幹線の東京都ターミナル駅は東海道新幹線品川駅地下、名古屋市ターミナル駅は名古屋駅地下に設置

中央新幹線(東京都・名古屋市間)の計画延長は約286kmで、超電導磁気浮上方式(超電導リニア)を採用。東京都の東海道新幹線品川駅地下と、愛知県名古屋市の名古屋駅地下にターミナル駅を設置し、神奈川県・山梨県・長野県・岐阜県に1駅ずつ中間駅を置く。

施行区間のうち、東京都品川区北品川3丁目から東京都町田市小山町まで(約35km)と、愛知県春日井市明知町から名古屋市中区丸の内1丁目まで(約20km)の区間が、地下40mより深い大深度地下部分となり、大深度法第12条にもとづく手続きが実施されることに。中央新幹線を所管する国土交通大臣へ、14日に事業概要書が送付された。17日に官報に公告された後、4月15日まで東京都・神奈川県・愛知県の計17カ所で縦覧できる。

武蔵野線梶ヶ谷貨物ターミナル駅付近に保守用車留置施設も

事業概要書はJR東海のホームページにも掲載されており、首都圏・中部圏の事業区域をはじめ、東京都ターミナル駅(東海道新幹線品川駅地下)、神奈川県駅(JR橋本駅付近地下)、名古屋市ターミナル駅(名古屋駅地下)、非常口など各施設のおおむねの位置を確認できる。事業区域(標準部)は幅約15mで、最深部は地下約125mとされている。

首都圏の事業区域では、非常口(都市部)を9カ所設置。武蔵野線(貨物)の梶ヶ谷貨物ターミナル駅付近に保守用車留置施設(資材搬入口・保守用車留置場所)が置かれる。神奈川県駅は橋本駅の南側(京王相模原線とJR横浜線・相模線が立体交差する地点および県立相原高校の周辺)に示されている。中部圏の事業区域では、非常口は4カ所で、名古屋市ターミナル駅は名古屋駅のJRセントラルタワーズの北側に示されている。

JR東海は大深度地下使用の認可申請に向け、事業区域が大深度地下にあることを確認するための現地調査(地質調査など)のほか、関係機関との調整などを行う。認可申請については、「全国新幹線鉄道整備法にもとづく工事実施計画の認可後に行う予定」とのこと。