25周年を迎えたスクウェア・エニックスの人気RPGゲーム『ロマンシング サ・ガ』 と「佐賀県」によるコラボレーション企画「ロマンシング 佐賀」の記者発表会が13日、東京・六本木ヒルズのヒルズカフェにて行われ、イラストレーターの小林智美氏、書家の江島史織氏らが出席した。

左から市川雅統氏(スクウェア・エニックス)、小林智美氏、河津秋敏氏(スクウェア・エニックス)、大田芳洋氏(佐賀県報道監)、江島史織氏、金子暖氏(佐賀県プロジェクトリーダー)

このコラボのきっかけは、スクウェア・エニックスの河津秋敏エグゼクティブプロデューサーも「最初のきっかけは洒落、駄洒落です」と苦笑する「サガ=佐賀」のダジャレ。しかし昨年スクウェア・エニックス側からコンタクトを取った後は、綿密に連絡を取り合いながら、当初想定していた以上の規模のコラボレーションが実現したという。なお、河津氏に『ロマンシング サ・ガ』の新作について訪ねてみたところ、「具体的な時期や内容は言えないが、準備はしている」とポジティブな感触が得られた。書家の江島氏は「ロマンシング佐賀」の佐賀の字を担当。彼女自身が『ロマンシング サ・ガ』の大ファンであり「興奮しながらの作業でした。払いなどで、剣のひらめきをイメージしてデザインしました」と話している。

六本木ヒルズにオープンした「ロマンシング 佐賀LOUNGE」は、3月13日~16日の開催で、入場は無料。「展示」「カフェ」「物販」の3要素があり、カフェは各商品の飲食費のみで楽しむことができる。

「ロマンシング 佐賀LOUNGE」展示

展示コーナーは、『ロマンシング サ・ガ』と佐賀県の名産である有田焼がコラボした大皿、皿などの展示と、シリーズ歴代作品でキャラクターデザインを担当した小林氏が手がけた貴重な原画が展示されている。

目玉となるのは、有田焼に小林氏自身が直筆で絵を入れた大皿。大皿の制作を担当した「しん窯」でも、これほどの大きさはめったにないという大皿に、小林氏が有田の工房を訪れて絵付けを行っている。小林氏によれば「モノクロのイラストは慣れているので、絵柄に関しては特に意識せずに書きました。ただ素焼きの皿は水分を吸い込むので、紙に描くのとは随分感覚が違いました。翌日窯元の方が作業しているのを見て、すごいものになると予感しました」という。他にも3点の大皿が展示されていたが、これらは有田焼の大皿に、『サガ』シリーズのカラー原画を転写したものとなっていた。

単体でも十分に展示会を開けると感じたのが、小林氏の原画コーナーだ。20年以上の間、小林氏が手がけてきた原画がズラリと並ぶ様子は圧巻。中でも強く目を引いた『ミンストレルソング』の原画について通りがかった小林氏に聞いてみたところ、「背景に金粉を使っているんですが、金色って印刷などでは正確に出ないんですね。生でなければ感じられないゴージャス感を直接見に来てもらえればと思います」と見どころを解説。他にも『ロマンシング サ・ガ』のドット絵をあしらった有田焼のティーセットがズラリと並んだり、戸棚の奥に貴重な生原画やラフがそっと置かれていたりと充実の展示だった。

歴代ロマサガでキャラクターデザインを担当した小林氏と、自ら絵を入れた大皿

イラストは小林氏、その他の模様は「しん窯」の職人が担当している

有田焼の大皿にカラー原画を転写

「運命づけられし8人」(ロマンシング サ・ガ/1992年画)

「ブルーとルージュ」(サガフロンティア/1997年画)

「白銀の皇帝とセルマ」(エンペラーズサガ/2012年画)

小林氏の歴代のイラスト原画がズラリ

戸棚の奥には小林氏直筆のスケッチやラフの束も

最新の『エンペラーズサガ』の2012年に描かれた原画

その隣には1992年に描かれた『ロマンシング サ・ガ』原画が並ぶ

非常にポップなタッチの『サガフロンティア』イラスト原画(1997年画)

小林氏が「印刷には出ない金粉のゴージャスさ」を語っていた「生まれ出づる闇」(『ロマンシング サ・ガ ミンストレルソング』(2005年画)

有田焼テーブルセットコレクション

『ロマンシング サ・ガ』のドット絵が自然に配置されている

物販販売の「ロマンシング佐賀」中皿・小皿をすっきりと展示

GB版からの歴代ゲームパッケージも展示