米Microsoftが一部地域でのWindows Phoneの競争力を高めるため、同OSのライセンス費用を無料化する戦略に出たと話題になっている。Times of Indiaが3月13日(現地時間)に報じたところによれば、低価格デバイスでの競争力を上げるために、インドの地場メーカーに対して同種の提案を行っているという。
Times of Indiaによれば、複数の関係者らの話で昨年2013年よりインドの地場メーカーに対して同種の提案が行われているようだ。2月末にMicrosoftがスペインのバルセロナで行った発表会では、LavaとKarbonnという2つのインド端末メーカーの名前が挙がっていた。
同社ではWindows Phoneのエコシステムを拡大するために、シェアにして7~8割をNokiaが占めているという現状から、より多くの端末OEMを獲得して販売機会を増やしていきたいとしている。だがスマートフォンの主戦場がミッドレンジ以下の端末へと移り、特に新興国における端末では100~200ドル以下のものが主流となり、1台あたり20~30ドル(Times of India)というOSライセンス料が足枷となっていた。
実際のライセンス料は個々の契約によって異なってくるとみられるが、Nokiaでさえこの呪縛からは逃れられず、実質ライセンス料無料となるAndroidをカスタマイズしたOSを採用した「Nokia X」という端末をMWCで発表し話題となった。間もなくMicrosoft傘下に入ることになるNokiaの携帯部門がこうした動きを見せることはMicrosoftにとっても不本意と思われ、特に新興国市場での戦いを優位に進めることを主眼に、こうした提案が進んでいるのだと考えられる。
同種の話は過去にも報じられており、例えば昨年2013年10月にはHTCが同種の契約を獲得したとBloombergが伝えている。これは、同社が提供するAndroid端末に無料またはかなりのディスカウントが行われた状態でWindows Phoneを搭載することが可能になるという提案で、「Windows Phoneのオプションの1つ」として選ぶことが可能になるものだと考える。
実際、Microsoftはバルセロナの発表会でQualcomm Reference Designを使ってすぐにWindows Phone端末の投入が可能な仕組みの提案や、ローカル/ホワイトブランドの端末メーカー支援重視の姿勢を打ち出している。さらにThe Vergeによれば、前述KarbonnがMicrosoftとの合意で初のAndroid/Windows Phoneデュアルブート端末を今年中にリリースする計画だという話もあり、Android直接対抗を打ち出した動きが続きそうだ。