LGエレクトロニクス・ジャパンは12日、アスペクト比21:9となる、シネスコサイズのモニタ3シリーズ5機種を含むディスプレイ製品16機種を発表した。新製品16機種のうち、アスペクト比21:9のウルトラワイド液晶「UM65」「UM95」「UB65」の3シリーズは計5機種を投入。3月下旬から4月上旬にかけ発売される。
同日都内で開催された発表会では、同社マーケティング統括の李起旭常務、同社コンシューマエレクトロニクス セールスチームの道山涼司氏が登壇。新製品の狙いや特徴を語った。
都内で開催した発表会では、LGエレクトロニクス・ジャパン マーケティング統括の李起旭常務(右)、コンシューマエレクトロニクス セールスチームの道山涼司氏(左)が登壇した |
新製品となる、アスペクト比21:9のモニタ3シリーズ5機種。アスペクト比16:9のモニタも11機種発表されており、1機種を除きいずれもブルーライト低減機能やフリッカー機能が搭載されている |
「液晶が狭い」「目が疲れる」の声を反映
李起旭常務は、"重要な市場"と位置付ける日本市場にて、「モニタが狭く、仕事に影響する」という声や「目が疲れ、眼精疲労や肩凝りがひどい」といった声が挙がっていたと、新製品の背景を紹介。
これを解消するため、新製品のほぼ全機種に「ブルーライト低減モード」「フリッカーセーフ機能」を投入し、「『暮らし』や『作業』『学習』などの環境が劇的に改善し、ユーザーを豊かにする」と自信をみせた。
道山氏は新製品の特徴として「ブルーライト低減モード」「フリッカーセーフ機能」を紹介。ブルーライトは液晶モニタやモバイル機器の画面から発生する短波長の青い光で、目の疲れや眼精疲労の原因の1つと言われている。
ブルーライト低減モードは、液晶バックライトの青色波長を通常時から最大83%低減するモードで、色温度が新聞紙相当の「低減モード1」と、書籍相当の「低減モード2」の2種類を用意する。
同機能を設定すると輝度や色温度が4,000Kから5,000K程度に抑えられ、若干黄色がかった表示となる。「色を扱う作業には向かないが、資料作成など一般業務には全く問題なく、眼精疲労に対し非常に有効なツール」と説明する。
2つの機能の「相乗効果をユーザーに提供したい」
フリッカーセーフ機能は画面の「ちらつき」を低減する機能。ちらつきを低減する方式には、LEDバックライトの電源オン/電源オフを調整して調光するPWM調光方式と、バックライトに流す電流量を調節して明るさを調整するDC調光方式があるが、PWM調光方式はその仕様上、明滅が激しくちらつきが発生しやすいため、常時電源オンで原理的にちらつきが発生しにくいDC調光方式を採用している。
また、上位機はデザインにも注力したといい、画面が浮いて見える「クリアスタンド」の採用や、液晶モニタとしては比較的大きめの7W+7Wスピーカーの搭載も言及された。道山氏は、「フリッカーセーフ」と「ブルーライト低減モード」を中核に位置付け、「両機能の相乗効果をユーザーに提供したい」と強調した。
このほか、ウルトラワイド液晶の優位性として、アスペクト比16:9のモデルより33%表示領域が拡大され、公開口率のAH-IPS液晶の採用が挙げられた。作業エリアや映像表示エリアの広さにより、「オフィスワーク」「映画鑑賞」「フォトグラフィックデザイン」「ゲーム」「サウンド/ビデオ編集」などで特に活用できるとする。
同社は2014年以降、ディスプレイの世界は「大画面化」「高画質化」が進むと想定。アスペクト比21:9のウルトラワイド液晶のシリーズでは、34型のハイエンド機の投入、そして25型のエントリー機の導入により、幅広いユーザーに訴求する。
5機種のラインナップと店頭想定価格は、解像度3,440×1,440ドットで34型の「34UM95-P」(店頭予想価格135,000円前後)、2,560×1,080ドットで34型の「34UM65-P」(78,000円前後)、2,560×1,080ドットで29型の「29UM65-P」(50,000円前後)、2,560×1,080ドットで25型の「25UM65-P」(34,000円前後)、2,560×1,080ドットで29型の「29UB65-P」(60,000円前後)。製品の詳細は本稿下部のニュース記事を参照されたい。
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